FreeBSD - The Power To Serve |
FreeBSDプロジェクトは「FreeBSD Quarterly Status Report」において2015年第1四半期の開発状況を報告した。FreeBSDプロジェクトは2015年第1四半期について「産学からの協力などがあり、生産的な期間だった。さまざまなプロジェクトが進展を見せた」と伝えた。
主な進展は次のとおり。
- ハイパーバイザbhyveの開発(OpeBSDゲストのようにRTCがUTCであることを期待しているゲスト向けにRTCデバイスモデルを改善、vcpuスレッドをブロックすることなく非同期にI/Oが動作するようにvirtio-blkデバイスを改善、マルチI/Oに対応したことで仮想ディスクスループットの大幅な性能向上、バックエンドデバイスがTRIMに対応していた場合にahic-hdデバイスエミュレーションでTRIMをゲストに通知するように変更など)
- 現在使われているForthブートローダの置き換えを狙ったLuaブートローダの開発が進む。すでにx86での動作が確認されており、現在のローダと同じ機能が実装されていることが確認された後に開発ブランチへマージする予定
- iSCSIイニシエータにおいてMellanoxのIB/Ethernetアダプタ(10G、40G、56G、100G)のハードウェアオフロード機能を活用するためのiSCSIエクステンション(RDAM/iSER)の開発プロジェクトを発足。2015年後期での完成を目指す
- PCI Expressホットプラグの汎用的な仕組みを開発するプロジェクトを発足
- x2APICなどを含む最近のx86プラットフォームが提供している機能への対応強化
- ナノ秒単位でファイルのタイムスタンプを設定できるfutimens()システムコールおよびutimesat()システムコールを導入
- FreeBSD/arm64強化の大幅な進展
- Amazon EC2用のイメージ作成コードをマージ(src/releaseでmake ec2amiとすることで生成可能)
- Secure Bootへの対応強化
- pkg 1.5.0のリリース
- マルチパスTCPの実装進展
- LLVMおよびLLDBを3.6.0へアップデート
- POWER8ベースシステムへの対応改善
- Jenkinsへの対応強化
FreeBSDプロジェクトは2015年8月末にFreeBSD 10.2-RELEASE、2016年7月末にFreeBSD 11.0-RELEASEの公開を予定している。今回報告された成果物はこうしたリリースに取り込まれると見られる。