サイバーセキュリティ企業であるエフセキュアは4月30日、無防備な携帯電話ユーザやPCユーザから金銭を恐喝するマルウェアが増加していることを指摘する新しい調査レポートを公開した。
新しい脅威レポートによると、トロイの木馬やランサムウェアを送信するプレミアムSMSメッセージなどのマルウェアは拡大を続けているという。
セキュリティ研究所主席研究員のミッコ・ヒッポネン氏は、「ランサムウェアは、暗号化やその他のメカニズムを利用してデバイスをロックし、犯罪者は、身代金を支払わなければユーザ自身のデバイスをロックして閉め出してしまうという手口で、ユーザを恐喝する。仮想通貨の普及によって、ランサムウェアが犯罪者にもたらす利益と利便性はより大きくなっており、エンドユーザにとって、ランサムウェアは今日最も注意すべきデジタルの脅威だ」と述べる。
プレミアム料金の番号にSMSメッセージを送信するトロイの木馬にAndroidデバイスを感染させることで、犯罪者に利益をもたらすSmsSendは、最も急速に拡大したモバイルマルウェアの1つ。またランサムウェア、中でもKolerおよびSlockerのものは、Androidデバイスに対する上位の脅威の1つとして確認されている。
PC上でも、ランサムウェアの検出件数は増加しており、今回のレポートで確認された上位10個の脅威にBrowlockランサムウェアファミリーが加わった。この他に目立った上位10個の脅威には、Conficker/Downadupワーム、Salityウイルス、さまざまな種類のRamnitウイルスなどがあり、これら3つのファミリーは、上位10個の脅威の全検出数のうち合計で55%を占める。
また、上位10個に新たに加わった脅威で目立っているのは、Kilimファミリーと呼ばれる悪意のあるブラウザ拡張。この拡張はFacebookアカウントを狙って利用し、意図しないコンテンツを投稿したり情報を盗んだりするもので、今回のレポートでは、上位10個の脅威のうち、11%を占める。同社によるKilimマルウェアの検出件数が増加した大きな理由に、昨年5月に発表されたFacebookからの協力が挙げられるという。
なお、同社のWebサイトで、脅威レポートの全内容の公開している。