富士通研究所は4月27日、既存のネットワークインフラを増強せずに、仮想デスクトップを大画面化する技術を開発した。

同社は、富士通の高画質映像符号化技術を仮想デスクトップ画面の圧縮に適用し、画質を維持したままネットワーク帯域を従来比で約2分の1にする技術を開発した。同じネットワーク帯域で、2倍のサイズ(画素数)の仮想デスクトップ画面を伝送することも可能だという。

既存の技術と富士通研究所が開発した技術の利用ネットワーク帯域の比較 資料:富士通研究所

CADやCAEで描画される線画などが表示される仮想デスクトップ画面は非常にシャープで、背景などの領域は完全に静止しているという特徴があるが、新技術では、ブロックサイズ、画面内予測方向などの最適符号化モード判定により直線のシャープさを維持し、さらに、動きベクトル探索の最適化により、静止画領域での処理を大幅に簡略化した。

仮想デスクトップ画面向けの最適化 資料:富士通研究所

また、静止画と動画が頻繁に切り替わるとデータ量が増加してしまうという課題を解決するため、映像符号化と静止画符号化との間で符号化後の画面を参照共有する機能を開発。

これにより、CADやCAEの操作画面のように、転送する画面領域内で静止画と動画が頻繁に切り替わる際も、切り替えのためのデータ量を削減できる。

共有画面の参照利用 資料:富士通研究所