米Citrixは4月23日(現地時間)、従来からあるWANの最適化製品「Citrix CloudBridge」に加え、WAN向けの製品として、「Citrix CloudBridge VirtualWAN」を発表した。
CloudBridge VirtualWANソリューションは、閉域網でセキュリティの高いMPLS、安価だがセキュリティの低いブロードバンドのほか、モバイル、衛星インターネットなどの複数のネットワークサービスを単一の論理WAN回線として構築し、アプリケーションによって、最適な物理回線を自動で選択する機能を提供する。
構成されるそれぞれのパスのパフォーマンスの評価を恒常的に行うことで、ネットワーク状況の変化に対して自動的に対応する。
また、 1つまたは複数のWANサービスに障害が生じた場合に、CloudBridge VirtualWANは、フェイルオーバーシステムにより、十分な帯域幅を確保し、残りのパフォーマンスの良いパスを使用してビジネスクリティカルなアプリケーションを伝送できるようにする。
提供開始は2015年第2四半期の予定で、仮想アプライアンスおよびAmazon Web Serviceなどクラウドパートナー向けバージョンの展開は、2015年第3四半期に提供開始予定。
シトリックス・システムズ・ジャパン 営業推進本部 プロダクトソリューション推進部 プロダクトソリューション推進マネージャー 臼澤嘉之氏によれば、CloudBridge VirtualWANをリリースした背景には、ビデオストリーミングやVoIPの使用の増加があり、CloudBridge VirtualWANによりWAN回線を1つの論理回線とすることで、バックアップ回線も有効に活用、VoIPやビデオアプリケーションのパフォーマンスを高めることができるという。
また、シトリックス・システムズ・ジャパンは4月24日、Citrix Workspace SuiteやXenDesktop、XenApp、XenMobile、ShareFileなど、モバイル製品に関する今後の展開を説明した。
シトリックス・システムズ・ジャパン 営業推進本部 プロダクトソリューション推進部 プ シニアロダクトソリューション推進マネージャー 竹内裕治氏は、「シトリックスのビジネスはモバイルに集約しており、Software-Defined Workplaceの傘のもと、製品やサービスを提供している。昨年には、モバイルに必要な製品をすべてのまとめた製品としてCitrix Workspace Suiteを提供している。2015年はモバイルワークスペースを実現することにフォーカスしていく。中心はXenDesktopやXenAppが中心になるが、今後はWorkSpace Suiteへの移行を推進していく。ただ、顧客にはいろいろな移行プランがあり、いきなりWorkSpace Suiteへの移行が難しいお客様には、まずはXenDesktopやXenAppを最新バージョンにしていただくことに注力していく。そのために、移行サービスやツールを提供している」とモバイルに注力していく同社の姿勢を改めて強調した。
XenDesktopやXenAppについては、2015年前半にエクスペリエンス、セキュリティ、柔軟性を強化。 具体的には、Linuxの仮想デスクトップ、iOSでの物理マウスの利用、DesktopPlayerの提供、Lyncの最適化などを行っていくという。
また、2015年はモビリティ・クラウドにフォーカスし、MDMやMAMを統合したXenMobile 10をShareFileというサービスを使って、認知度をあげていくという。
2015年の2Q以降では、5月12-14日に米国オーランドで開催される同社の年次イベント「Citrix Synergy」で発表される。
竹内氏によれば、仮想化、モビリティ管理、ネットワークキング、クラウドにフォーカスするという。仮想化では、WorkspacePodというコンバージドインフラの新製品が発表されるほか、ワークロードと管理を分離し、管理についてはCitrixが環境を提供するWorkplace Cloudを発表するという。