大日本印刷(DNP)は4月24日、理化学研究所(理研)と共同で、ナノレベルの微細加工技術を利用した細胞培養プレートを開発したと発表した。同成果は3月19日に行われた第14回日本再生医療学会総会で発表された。
細胞移植治療では、培養過程で細胞の分化状態を識別し、異質な細胞を分離させ、良質で均質な機能性細胞を取り込む技術が重要となる。これまでは蛍光ラベルを付与し、溶液に細胞を分散させて分離していたが、処理によって細胞がダメージを受けてしまうことが懸念されている。
今回の研究では、細胞の種類の違いで相性の良し悪しが顕著に異なる表面微細構造の同定に成功。この成果を活用し、ガラスの表面に100~300nm程度の微細な凹凸構造を施した細胞培養プレートを開発した。同技術によって、ダメージのない良質の細胞を得ることが可能だという。
DNPは今回開発した細胞培養プレートを2016年から提供していく予定で、同プレートを使用した細胞培養装置なども開発していくとしている。