MobileIronは4月21日、「モバイルワーク世代」の58%が、携帯端末を用いて仕事と私生活を「融合」していることに罪悪感を感じているという調査結果を発表した。「モバイルワーク世代」とは、仕事に携帯端末を活用している比率の高い「18~34歳の男性、または18歳未満の子供がいる労働者」のいずれかに該当する集団を指す。なお、今回の調査はフルタイムからパートタイムまで、3500人を超えるオフィスワーカーを対象に行われた。
世界調査の結果を平均すると、スマートフォンやタブレットを仕事で用いている割合は、モバイルワーク世代のオフィスワーカーでは26%(日本では19%)、その他の世代では17%(日本では14%)となった。
また、今回の調査では、本世代におけるオフィスワーカーの多くが業務中にシャドウタスキングを行っていることも分かった。シャドウタスキングとは、勤務時間中に私用メールなどのプライベートな活動を行うことや、反対に業務時間外に携帯端末を用いて業務を行うことを指す。
モバイルワーク世代の82%(日本では80%)が、勤務時間中に携帯端末を用い1日1件以上のプライベート活動を行っていることも分かった。この世代のオフィスワーカー以外のシャドウタスキング率は72%(日本では75%)にとどまっている。
今回の調査で、モバイルワーク世代のオフィスワーカーにとって仕事と私生活を「融合」することは極めて重要であることがわった。このことは、「モバイルワーク世代」の働き方をサポートしていない企業では、従業員の新規採用や定着が難しくなることを意味している。実際、オフィスワーカーの60%(日本では55%)が、携帯端末を利用した業務の続行や、仕事中のプライベートなやり取りが許可されない場合での離職を考えている。
反対に、プライベート時間内に仕事上の連絡を受けるとモバイルワーカー世代のオフィスワーカーの61%(日本では57%)が罪悪感を覚えると回答している。また、業務中にプライベートな連絡を受けた場合も、この世代のオフィスワーカーの58%(日本では52%)が罪悪感を覚えていることが分かった。
また、日本で最も携帯端末を仕事に活用している世代は「18~34歳の男性と35~44歳の男性」であることが分かっている。18~34歳、35~44歳の男性、それぞれの携帯端末使用状況は下記の通りだ。
Apple Watchなどのウェアラブルデバイスの導入により、「モバイルワーク」世代における仕事と私生活の「融合」は更に進むことが予想される。
MobileIron CEOのボブ・ティンカー氏は、「Apple Watchなどにより、仕事と私生活の『融合』は更に進む」と予想する一方で、「勤務時間中にプライベートな作業を行うことに人々はますます罪悪感を持つようになるだろう」と述べている。
モバイルワーク世代のオフィスワーカーの42%(日本では26%)がApple Watchなどのウェアラブルデバイスを所有しているか購入する予定を立てている。その内の95%(日本では93%)は購入した端末を、電話やメール、スケジュール管理など、仕事上の目的で使用する予定だ。
企業は今後、優秀な人材を確保するためにも、ワークスタイルの変化を受け入れる必要がある。その一環として、雇用主が従業員の私生活を配慮した携帯端末の利用を意識するなどの対策が必要になるだろう。
また、業務上必要となる端末の維持費などを提供することで、従業員は仕事とプライベートをうまく「融合」することが可能になる。ほかにも、従業員個人のプライバシーを侵害しないことも、モバイルワーク世代のオフィスワーカーを企業が受け入れる上で重要となる配慮だ。