Google検索の急上昇ランキング、2015年3月は季節感あるワードが目立つ結果に。忘れることのできないあの災害は、発生から4年を経て「東日本大震災」ではなく「3.11」で検索されるようになったようだ。

2015年3月のGoogle検索ワードの急上昇ランキング (データ提供 : Google)

復興や災害対策のために、ネットができることを

2015年3月の検索ワード急上昇ランキングでは、「3.11」が2位にランクインした。

Googleと同じく検索サービスを提供するヤフーは、「3.11」と検索すると1回あたり10円が東日本大震災復興支援財団に寄付されるというキャンペーンを昨年に続いて実施し、今年はユニークブラウザ数で291万8,278人が検索したという。(これはYahoo! JAPANで検索された数だが、Googleも同様に検索量が急上昇したことがランキングから分かるだろう。)

震災関連のワードの検索量推移

一方、Googleは同日、新たに撮影した被災地のストリートビューを公開。これは、岩手県内12地区を収めたストリートビューと、福島県で避難指示区域内に位置する24施設内のパノラマ画像、岩手県・田老エリアと宮城県・石巻エリアにおける「海からのストリートビュー」にて構成され、特設ページ「未来へのキオク」にて閲覧できる。

だが、関連するワードをさかのぼって調べると、2015年3月の「3.11」に対して2011年3月には「地震」というワードが約50倍も検索されている。震災発生時に、ユーザーがインターネット検索に情報を求めていた様子が垣間見える数字だ。

(2011年3月)当時、インターネット上には真偽の定かではない情報も行き交っていたが、正しく活用すれば大きな力になることも実感したのではないだろうか。

Googleは、震災当日から安否確認のための「Google パーソンファインダー」をスタートさせ、Twitter上では首相官邸をはじめ官公庁や自治体が情報の発信を始めた。ボランティア活動を行うグループはFacebookを活動拠点にし、物流が動き出すとAmazonが避難所のウィッシュリスト機能を提供した。

その後も、災害時の対策に向けたさまざまなサービスが発表されているほか、Googleも2013年5月より、被災企業と支援者をマッチングするための取り組みとなる「イノベーション東北」を開始。現在も、自治体や企業、個人による復興支援活動は続いているのだ。

「ボランティア」の検索量推移。災害発生直後に比べると減少したが、現在も一定の量を保っている

あなたが季節行事を検索するのは、どんなときだろうか

さて、2015年3月の検索ワード 急上昇ランキングに話しを戻そう。

大きなイベントやニュースになった出来事に関するワードがランクインする中、毎年必ずやってくる「春分の日」と「雛祭り」もそれぞれ7位と8位にランクイン。他にも年中行事のワードは毎年同様にその季節になると検索される傾向があるようだ。

「春分の日・秋分の日・夏至・冬至」を比較。なぜか冬至が飛びぬけて多い

「雛祭り・子供の日・節分・七夕・お盆」を比較。「お盆」の検索量が目立って増加中

関連検索ワードを見ると、「雛祭り」では「レシピ」「料理」「ケーキ」などが挙がっており、家庭の雛祭りディナーの様子がうかがえる。一方の「春分の日」は、単体で検索することが多い様子だ。休日がいつになるのか確認するため、検索しているのだろうか? 理由はともかく、ボリュームの推移からこうした恒例の行事に関する検索が全般的に増加している傾向が見られるのは興味深い。

テクノロジーの進歩により発見された戦艦

最後に9位「戦艦 武蔵」に触れておこう。武蔵は1940年に進水した大日本帝国海軍の大和型戦艦の二番艦だ。建造当時、世界最大の全長263m、射程距離約40kmの46センチ主砲を9門搭載したこの大型戦艦は、1944年10月24日、レイテ沖海戦においてシブヤン海に沈んだ。その艦が約1000mの海底で発見されたというニュースが、3月2日に報じられた。さらに翌週には、無人探査機を用いて海底から武蔵の姿がネットで生中継されたことも話題となった。

戦艦武蔵。巨大な船体を締める鋲は約650万本にも及んだ (出典 : ウィキメディア・コモンズ

発見したのは米Microsoftの共同創設者であり、資産家のポール・アレン氏。第二次世界大戦時の軍用機を中心とする航空機コレクションを私有し、スポーツチームの運営・慈善事業・地球外生命体の探査などに投資しつつ、約8年前から武蔵の探査を続けていたそうだ。

これまでいくら検索しても知ることのできなかった海底に沈む武蔵の姿が、アレン氏の手によりインターネットの世界に追加されたのだ。6万9,100トンにもおよぶ巨体を深海からサルベージすることが不可能であっても、存在が確認されデータが追加されたことは、歴史的に大きな価値のあることだ。

ところで、武蔵が3月の急上昇ワードランキング9位に入ったわけだが、他の艦のことも気になる提督の皆様は大勢いらっしゃることだろう。そこで今回は、過去6カ月分の検索量を基にGoogle先生に「日本の艦船名 検索量ランキング」を出してもらった。総選挙ではないので単純に検索ランキングとして楽しんでいただければ幸いだ。全艦カバーはできなかったが、そこはご容赦のほどを。

「日本海軍の艦船名」検索量ランキング 2015年4月10日より過去半年分のデータをもとに集計してもらった (データ提供 : Google)