日立製作所は4月16日、栃木銀行の新営業店システムを日立の統合チャネル・ソリューションである「FREIA21+ for NEXTBASE」(フレイア21プラス フォア ネクストベース)を利用して構築したと発表した。
FREIA21+ for NEXTBASEは、日立の地域金融機関向け共同アウトソーシング・サービスである「NEXTBASE」の加盟行向けに、同社の統合チャネル・ソリューションである「FREIA21+」を適応させた、NEXTBASEの標準営業店システム。
新システムは4月20日から栃木銀行本店で稼働開始し、2015年9月にかけて順次全営業店に導入する予定。栃木銀行は同システムを利用し、顧客の利便性向上と行員の事務作業の効率化・厳正化を図っていく。
同システムにおいて、スタンド型スキャナやプリンタなどの営業店端末機器を刷新した。 スタンド型スキャナでは、OCRで読み取った伝票の記載内容を自動認識してPC端末上に取引画面を自動的に表示できる他、口座番号などの情報を取引システム上に自動的に入力可能であり、手動での入力作業を削減すると共に入力ミスを防止。認識可能な伝票は従来の5種類から18種類に拡大したという。
また、運転免許証などの本人確認書類をスタンド型スキャナで読み取り、必要な情報を自動的にマスキングした上でコピーできる「クイックコピー機能」を新たに導入。これにより、本人確認書類を顧客の目の届く範囲で安全に取り扱えるようになり、情報漏洩も防止できるとしている。さらに、テンキーパッドを新たに導入することで、窓口で預金者自身がキャッシュカードの暗証番号を登録できるようになったという。
その他、現金入出金機の自動精査機能や通帳伝票プリンタの媒体セット位置補正機能(スキューアライナ)の導入などにより、窓口行員の事務作業の効率化・厳正化を図っている。
事務作業を支援する機能では、複雑な処理を伴う事務作業の流れをPC端末の画面上に表示する「事務フローナビゲーション機能」を導入。また、事務作業の手順を管理・閲覧できる事務規程管理システムと連携し、PC端末画面に事務規程や操作マニュアルを、必要に応じて表示する。
さらに、預金者の口座情報など元帳に含まれる情報の照会作業において、従来は専用帳票に印字した上で確認していたが、PC端末の画面に表示可能にした印字作業が不要になったという。
これらの事務作業支援機能により、事務作業の迅速化とミス防止による厳正化を図るとしている。
上位責任者である役席者の承認を必要とする取引については、従来の磁気カードを用いた承認を廃止し、PC端末上で承認登録が可能な「役席承認ワークフロー機能」を採用。これにより、窓口行員がフロア内を立ち歩く手間を削減し事務フローを効率化することで、顧客の待ち時間を短縮するという。
併せて導入した顧客情報連携機能では、行員が窓口で各種手続きを行う際、PC端末に入力した口座番号を元に顧客の属性を取引画面に自動表示する。これにより行員が個々の顧客に対して、よりきめ細かく対応可能になるという。