三井住友海上火災保険は4月16日、日本IBMの協力により、顧客からコールセンターに寄せられる年間70万件以上の問い合わせ内容を分析するシステムを構築し、稼働を開始したと発表した。
同システムは、クラウド上で稼働する、テキストマイニングや分析を行うソフトウェア「IBM Watson Explorer」によって構築。IBM Watson Explorerは、高度なコンテント・アナリティクスにより、顧客サービスの傾向やパターン、相関関係などを新たに見出すことを支援する。その結果、コールセンターのオペレーターは、顧客からの質問に対し、過去の問い合わせ内容をはじめとする構造化・非構造化データの分析に基づき、適切な情報を得ることが可能になる。
三井住友海上では、同システムの導入により、今まで以上に効果的な傾向分析と確かな未来予測が可能となり、顧客のタイプ別(年代・性別・家族構成など)、時期別、イベント別(災害発生・法制度改定など)の問い合わせ傾向を容易に把握できるようになったという。
また、分析によって得られる具体的な数値や傾向に基づいて、Webでの情報発信や要員の適正配置を行い、コールセンターへの問い合わせ件数の削減や応答率の向上を図っている。
そのほか、月別の顧客の問い合わせ傾向に合わせ、新たに「お客さまに寄り添うトーク」をまとめた社員・代理店向けの「歳時記」を作成した。
今後、今回クラウド上に構築した分析システムのデータと、既存の基幹システムのデータとの連携を図り、全社的な顧客サービスの変革にも分析結果を役立てていく。