岐阜大学は4月15日、炭素繊維織物によって強化した樹脂製の歯車を開発したことを発表した。
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、高い強度と軽さを併せ持つ材料だが、加工が難しいため機械部品の大量生産などには向いていなかった。今回開発された技術は、そうした分野への活用を目指して開発されたもの。研究では、樹脂の中に炭素繊維を組み込み、歯車の歯の付け根にかかる引張応力を弱めることで製品寿命を延ばすことを可能にしたとのことで、この樹脂内に炭素繊維を組み込む工法について、すでに特許の出願を実施済みだという。
今回の成果について研究グループでは、実用化されることで、自動車などに使用される金属製の歯車を代替できるより、軽量化や生産コストの削減、強度の向上による製品寿命の向上などが期待できるようになると説明する。ただし、サンプルとなる歯車は開発したものの、製造コストや製品強度についての具体的な検証は完了していない、とのことで、今後、検証を重ねていき、2017年3月をめどに実用化を果たしたいとしている。
なお同成果は、同大の王志剛 副学長、同大 金型創成技術研究センターならびにセントラルファインツールらによるもので、サンプルとなるCFRP製歯車は4月15日から17日にかけて東京ビッグサイトにて開催中の「INTERMOLD 2015(第26回 金型加工技術展)」に出展されるという。