日本HPは4月13日、クラウドコンピューティング「HP Helion」のポートフォリオを強化し、「HP Helion OpenStack」 および「HP Helion Development Platform」のアップデートに加え、コンサルティングサービスの拡充と「HP Helion Content Depot」の提供開始を発表した。
IaaSプラットフォームの「HP Helion OpenStack」では、最新の「HP Helion OpenStack 1.1」を発表。セキュリティの自動化および設定機能の強化、ソフトウェア定義の大規模ストレージ機能の強化、ライフサイクル管理能力の強化などを行っている。
セキュリティの自動化および設定機能の強化では、集中型ロギングと「HP ArcSight」のインテグレーションの拡張により可視性を向上。ソフトウェア定義の大規模ストレージ機能の強化では、「HP 3PAR StoreServ HA」の機能強化やSwift オブジェクトストア用サポートに加え、Host Linux LevelでのCephインテグレーションを追加。ライフサイクル管理能力の強化では、リソース使用状況を可視化するCeilometer搭載の計測サービスを追加した。
企画から計画、設計、構築、運用・改善と5つのフェーズで支援するコンサルティングサービス「HP Platform最適化サービス」では、従来からのサービスに加え、テクニカルワークショップを追加したほか、プラットフォーム デザインサービスとプライベート、ハイブリッドクラウド構築サービスを拡充した。
テクニカルワークショップ では、クラウドプラットフォーム構築に関する最新の各要素技術に関する機能や、メリット、デメリットを説明し、今後の技術の方向性を検討する。 プラットフォーム デザインサービスでは、新たに「HP プラットフォーム リファレンスアーキテクチャ」を用意した。顧客は「HP プラットフォーム リファレンスアーキテクチャ」から選択することで、設計フェーズの期間を短縮して導入が可能。
プライベート、ハイブリッドクラウド構築サービスでは、要件定義から実装までを行う。これにより、テスト工数の削減など、構築期間の短縮が見込めるという。
日本HP テクノロジーコンサルティング事業統括本部 ビジネス開発本部 本部長 庄野雅司氏は、「次世代のプラットフォームを考える際、プラットフォームの成熟モデルが用いられるが、これらは非常に概念的で、実際にどうやってアクションを起こしていくのは難しい。そのため、われわれはどういった機能要素が必要なのかを洗い出し、どの 機能を実現すれば、成熟度が上がるかを考え、12モデルのリファレンスアーキテクチャを考えた。弊社ではこれらのリファレンスアーキテキウチャの検証を進めており、ほぼ終了した。これを実現することで成熟度をあげることができ、これを中心にサービスを構成する。そのために、テクニカルワークショップという最適化サービスを新たに追加し、プラットフォームデザインサービスとプライベート、ハイブリッドクラウド構築サービスをUpdateした」と説明した。
日本HP 執行役員 テクノロジーコンサルティング事業統括 有安健二氏は、コンサルティングサービスについて、「最近、 次世代プラットフォーム(第3のプラットフォーム)がイノベーションを起こすプラットフォームとして注目されている。今日、ITの使われ方が変わりつつあり、これまでは企業のためのシステムであったが、これからは企業に加えて、公共、公益や個人が幸せになるためのIT、社会基盤全体を支えるITが必要になってくる。そのために必要な要素としては、デジタル化、連携、認知という3つが重要になってくる。これらの新たな観点で構築するためには、コンサルティングサービスが重要だ」と述べた。