オートデスクは4月13日、「Autodesk Maya 2016」および「Autodesk 3ds Max 2016」などの3DCGアニメーション制作ソフトウェアの新バージョンと、これらをパッケージ化した「Autodesk Entertainment Creation Suite 2016」の出荷を4月16日より開始すると発表した。

まず、「Autodesk Maya 2016」では、液体効果をシミュレーションするプロシージャエンジン「Bifrost」の機能が拡張された。これによりシミュレーション時間が短縮されるほか、キャッシュされたシミュレーションまたはアニメーション化されたメッシュオブジェクトを使用して、液体の動作を制御可能となる。また、アダプティブAeroソルバを新規に採用したことで、煙や霧などの環境効果について、詳細かつ物理的な精度の高いシミュレーションを生成することができる。さらに、オープングラフの採用により、ノードベース環境でシミュレーションの微調整やカスタマイズが可能となった。希望小売価格(税別)はDesktop Subscriptionが20万4000円(1年契約、ベーシックサポート付きの場合)、永久ライセンスが51万円となる。

Bifrost機能

キャラクターリグの並列評価

次に「Autodesk 3ds Max 2016」では、Maxクリエーショングラフ機能の採用したことにより、スレートマテリアルエディタと似たビジュアル環境でグラフを作成し、新しいジオメトリオブジェクトやモディファイヤを作成して機能を拡張することが可能となる。また、作成したグラフを新しいノードタイプとして定義したグラフセットの保存・再利用することができる。さらに、Autodesk Translation Frameworkを搭載したことで、SolidWorksなど他社製3D CADデータの相互運用が可能となり、Autodesk Inventorで作成した拘束とジョイントドライブのアニメーションを、「3ds Max」でリグを構築することなく機械設計アニメーションを制作することができる。Autodesk MaintenanceまたはDesktop Subscriptionの契約ユーザーは、同社のクラウドサービスA360のクラウド レンダリング サービスを「3ds Max」から直接利用することが可能だ。希望小売価格(税別)は「AutoDesk Maya 2016」と同様にDesktop Subscriptionが20万4000円(1年契約、ベーシックサポート付きの場合)、永久ライセンスが51万円となる。

MAXクリエーショングラフ

外部参照オブジェクト

同社は「Autodesk MotionBuilder 2016」と「Autodesk Mudbox 2016」も発表。「Autodesk MotionBuilder」ではStoryツールの機能強化によりStoryクリップを処理するワークフローの効率化が図られている。希望小売価格は(税別)はそれぞれ「Autodesk MotionBuilder 2016」が58万5000円、「Autodesk Mudbox 2016」が6万9000円となっている。

これらをパッケージにした「Autodesk Entertainment Creation Suite 2016」にはStandardとUlimateの2種類があり、含まれるソフトおよび価格が異なる。それぞれの構成は以下の通り。

・Autodesk Entertainment Creation Suite Standard 2016の内容構成

含まれるソフトウェア 希望小売価格(税別)
・Autodesk Maya 2016またはAutodesk 3ds Max 2016
・Autodesk MotionBuilder 2016
・Autodesk Mudbox 2016
・Desktop Subscription: 32万2000円 保守契約サービス付き期間限定ライセンス (1年契約、ベーシックサポート付きの場合)
・永久ライセンス: 80万5000円
・Maintenance Subscription: 12万1000円 永久ライセンスに付帯できる保守契約サービス

・Autodesk Entertainment Creation Suite Ultimate 2016の内容構成

含まれるソフトウェア 希望小売価格(税別)
・ Autodesk Maya 2016
・ Autodesk 3ds Max 2016
・ Autodesk Softimage 2016
・ Autodesk MotionBuilder 2016
・ Autodesk Mudbox 2016
・Desktop Subscription: 38万円 (1年契約、アドバンスサポート付きの場合)
・永久ライセンス: 95万円
・Maintenance Subscription: 15万2000円

希望小売価格にインストール費は含まれておらず、オートデスク認定販売パートナー、販売店から購入する場合の価格はそれぞれ直接パートナーや販売店に問い合わせる必要がある。