日本オラクルは4月10日、「Oracle Marketing Cloud」に、複数のオーディエンス・データをユーザーごとにまとめて一元管理する「Oracle ID Graph」と、マーケティング・チャネルを一元的に管理する「Rapid Retargeter」といった2つの新機能を追加したと発表した。
「Oracle Marketing Cloud」と「Oracle Data Cloud」を活用した「Oracle ID Graph」は、各種マーケティング・チャネルやデバイスを通じ取得した複数のオーディエンス・データを、ユーザーごとにひとつにまとめ、顧客の特性に合わせた施策の実行を可能とするもの。
これにより、マーケティング担当者は、これまで別々に運用していたマーケティング・チャネルやデバイスを個々の顧客に結び付けられるほか、顧客一人ひとりに対して、あらゆるマーケティング・チャネルを通じ、顧客を惹きつけるカスタマー・エクスペリエンスを顧客別に提供できるようになるという。
一方、「Rapid Retargeter」は、顧客の対応に合わせ、迅速に最適なメッセージを発信することを可能とする。
例えば、ECサイトにおいてユーザーが、商品をショッピング・カートに入れたままにしている際、企業はメールでリマインダーを送り、購入を検討する過程で自社ブランドの印象を改善するためのディスプレイ広告キャンペーンを顧客に提示するなどの対応を取ることができる。
従来のリターゲティング・ツールはチャネルごとに切り離されていたため、こうした顧客への働きかけを行うまでに時間を要していたが、さまざまなマーケティング・チャネルを一元的に管理することで、ほぼリアルタイムに顧客に向けて最適なマーケティング施策を取ることが可能だという。
これらの新機能により、企業のマーケティング担当者は、顧客をより包括的な視点でとらえ、さまざまなチャネルを通じ、リアルタイムに顧客に密接な対応を行うことができる。
また、多様なベンダーから提供されるマーケティング・データやアプリケーション、メディアを連携させた場合においても、それらの一元的管理を実現するという。