東芝と長崎大学(長崎大)は4月8日、長崎大学熱帯医学研究所の安田二朗教授らが開発したエボラ出血熱検査試薬の実用性評価を実施し、既存の検査法と同等の精度を持ちながら判定時間を約6分の1に短縮できることを確認したと発表した。

ギニア共和国の首都・コナクリ市で実施された同実用性評価では、市内および郊外エボラ治療センターなどから集められた100検体について現地で実施されているRT-PCR法との比較を実施した。その結果、安田教授らの新試薬を用いた新検査法は、高い精度を持つRT-PCR法の検査結果と100%一致した。また、陽性の判定に要する時間はRT-PCR法が約1時間だったのに対し、新検査法は平均で11.2分だった。

同検査法は高精度でありながら所要時間が短いというだけでなく、小型で持ち運びも便利で、検査に不慣れな人でも使いやすいなどの点も現地で高い評価を得たとのこと。

ギニアでは現在でもエボラ出血熱の新規患者数は毎週50-100例で推移している。東芝と長崎大は「同検査法が現地で導入されれば、ギニアをはじめとする西アフリカでのエボラ出血熱の収束に貢献できると確信している」としている。