大日本印刷(DNP)は4月8日、光学フィルムの製造で培ったコーティング技術を応用することで、ナノレベルの極細の銀ワイヤ(銀ナノワイヤ)を使用した高性能かつ低価格の透明導電フィルムを開発したと発表した。

同ワイヤは数十nmクラスの配線サイズのため、光透過率が高く、視認性に優れているため、高精細ディスプレイ用タッチパネルに適しているという。また、シート抵抗値はITOフィルム比で約半分程度となる50Ω/□となっており、より大型のディスプレイでの適用も可能なほか、タッチパネル以外で透明電極を用いるデバイス向けにおいても展開が可能だという。

さらに折り曲げに強いため、厚さ50μm以下の各種薄型フィルムや3D成型体に加工することで、タッチパネルやタッチパネル以外のフレキシブル性が求められるウェアラブル端末などにも使用可能だという。

なお同社では同ワイヤについて2015年4月からサンプルを出荷し、夏にタッチパネルおよび電極向けの量産を開始する計画とするほか、光学機能フィルムや部材と複合化することで、社会ニーズに適した各種センサの用途開拓を行い、システムも含めた事業展開の検討を進め、この分野において、2017年度までに70億円の売り上げを目指すとしている。

ナノレベルの銀ワイヤを配合したインキ