大日本印刷(DNP)は4月7日、独自の化学蒸着技術(CVD)を用いて製造したバリアフィルム「DNP透明蒸着フィルム(IBフィルム)」を用いて輸液バッグを入れる外装材を開発したことを発表した。
医薬品業界では、廃棄物削減や医療事故防止を目的として、輸液の容器を従来のビンやプラスチック容器から、薬品名や内容物などが印刷されたプラスチックフィルムを使用した輸液バッグへと切り替えを進めているが、輸液バッグを入れる外装材は、内容物である水分・電解質や栄養素などが、水蒸気や酸素などにより劣化するため、これまでプラスチックフィルムにバリア性の高いアルミを貼り合わせたものを使用していた。しかし近年は、内容物が確認できるように透明のフィルムを使用したいとの要望が増えてきており、高い耐久性を持つ透明バリアフィルムが求められていた。
同製品は、そうしたニーズを受け開発されたもので、折り曲げなどに対する耐久性に優れ、バリア性の劣化が少ないほか、水蒸気や酸素に対して高いバリア性を有しているため内容物の劣化を防ぐことが可能。また、透明性が高く、内容物を目視で確認できるほか、アルミ蒸着による従来の透明バリアフィルム比で約20%の耐久性向上を果たしたとする。
なお同社では、同製品を国内外の輸液バッグを製造している医療・医薬品メーカー向けに販売し、2018年までに10億円の売り上げを目指すとしている。