エンバカデロ・テクノロジーズは4月7日、Windows、Android、iOS、Mac OS X、ガジェット、ウェアラブルといったマルチデバイスアプリケーションを作成できるソフトウェア開発環境の最新版「RAD Studio XE8」を発表した。4月8日より提供開始となる。
エンバカデロ・テクノロジーズ 日本法人代表の藤井等氏は、「企業におけるモバイルデバイスの導入は、ネイティブアプリを構築し、モバイルの力を使って業務を変えていく段階に入ってきたため、マルチプラットフォームの対応について意識せざるを得なくなってきている」と語った後、RAD Studio XE8について、「つながる」アプリを構築するためのプラットフォームとして「真のマルチデバイス開発環境の実現」「クラウド、バックエンドとつながるしくみを提供」「既存システムをIoTに拡張」という3つのテーマを掲げていると説明した。
この3つのテーマに対する同バージョンの主な新機能は下記のとおり。
マルチデバイス開発環境の実現
新たにiOS 64-bitアプリ開発をサポートしたことにより、Apple App Storeに掲載するアプリで必須となる64-bitと32-bit双方を含むユニバーサルアプリが構築可能となった。また、iOS向けに作らなくとも、ネイティブコントロールをサポートしており、iOSネイティブの機能への切り替えを、ボタン一つで行うことができる。
新機能「マルチデバイスプレビュー」では、設計段階でデスクトップ、タブレット、スマートフォン向けのプレビューを表示することができる。修正を要するデバイスについては、UI設計のみをカスタマイズ可能。すべてのデバイスでアプリを実行して確認することなくUI設計の問題個所を発見できるため、マルチデバイス向け開発が大幅に効率化される。
クラウド、バックエンドとの接続
企業向けモバイル開発においては、バックエンドとの接続が重要となるため、オンプレミスの中間サーバや、BaaSなどのクラウドサービスを活用するのが一般的だ。今回のバージョンアップでは、モバイル向けの中間サーバー機能を提供するEMS(Enterprise Mobility Services)を機能強化し、多様な接続性をサポートしている。
既存システムをIoTへ拡張
IoTへの接続性も強化された。Bluetooth ClassicをサポートするTBluetoothや、iBeaconとAltBeaconの双方をサポートするTBeaconコンポーネントを搭載しており、Bluetoothを利用する各種IoTデバイスや近接検知の機能などを、詳細なプロトコルを理解していなくとも、容易に実装できるようになった。
以上の機能に加え、アプリケーションの利用状況を分析できる機能も新たに加わった。コンポーネントを置くだけで分析機能を追加でき、マルチデバイスアプリの利用状況を把握することが可能となる。
同社は、発売記念キャンペーンとして、発売記念特別価格での提供や、Webセミナーやワークショップの開催などを予定している。
さらに、RAD Studio XE8のすべての機能を30日間無料で利用できるトライアル版も提供されるとのこと。同社のWebサイトよりダウンロードすることができる。