ディー・エヌ・エー(DeNA)は4月6日、男性ファッションや子育てなど、ジャンルに特化した新キュレーションプラットフォームの提供開始を発表した。

ディー・エヌ・エーは、事業拡大構想「DeNA Palette」を掲げており、12月末までに今回発表のものを含めた6つのキュレーションプラットフォームを10個まで増やす予定だという。

  • Find Travel

Find Travel(ファインドトラベル)は、2014年8月にサービスを開始した観光スポットなどを紹介するキュレーションプラットフォームで、2月に買収・子会社化した。月間アクティブユーザー(MAU)は、すでに300万人を超えており、旅好きや観光地の地元キュレーターが厳選した情報を発信する。

  • JOOY

JOOY(ジョーイ)は、4月6日より提供を開始した男性ファッション特化型のキュレーションプラットフォーム。男性向けのファッションやヘアスタイル、恋愛、デート関連の情報を発信する。ディー・エヌ・エーはすでに、女性向けにファッションキュレーションプラットフォーム「MERY(メリー)」を提供している。

  • cuta

cuta(キュータ)は、6月より提供する妊娠や出産、子育てに特化したキュレーションプラットフォーム。それぞれの過程において「大変だけれども楽しく幸せな毎日」をコンセプトに、子育て世代に寄り添った情報を発信するとしている。

なお、ディー・エヌ・エーはすでに住まいやインテリアの「iemo(イエモ)」と食事のレシピ・食卓の「CAFY(カフィ)」、前述の「MERY」を提供している。

任天堂との提携と同じ考えをキュレーションプラットフォームに

記者会見には、ディー・エヌ・エー 代表取締役社長 兼 CEOの守安 功氏とiemo 代表取締役CEOの村田 マリ氏が登壇した。

ディー・エヌ・エー 代表取締役社長 兼 CEO 守安 功氏

iemo 代表取締役CEO村田 マリ氏

守安氏は冒頭、先日の任天堂との業務資本提携に触れ、「任天堂さんのIP(知的財産)の力と、我々のネットのノウハウをかけあわせることで世の中に新しい価値を生み出そうとしているように、パートナーの強みと我々の強みを通して、世の中にインパクトを生み出していくことが得意だ」と、DeNAの事業方向性が今回の展開に繋がったと語る。

今回のキュレーションプラットフォーム構想の大元となった、昨年9月買収のスタートアップ「iemo」「MERY」は、買収半年後も順調に成長しているといい、「グループに加わって相乗効果が出た。思い通りの成長が描けた」(守安氏)という。

また、村田氏によると、DeNA Paletteはサービス名称ではなく、「Y社の"爆速"というキーワードが数年前にありましたが、パレットの色のように『まずは年内に10個揃えるぞ』という意気込みで名づけたプロジェクト名」とのこと。

ジャンルを特化してプラットフォームを提供することは、広告展開はもちろん、それぞれがユーザーが目的を持ってダウンロードするため、「リアル世界のビジネスマッチングを視野に入れられる」(村田氏)という。iemoやMERYはすでに立ち上げ期を超えつつあるため、ネイティブアドの展開やその後のリアル世界のビジネスマッチングを年内には始める予定だという。

また、年内10プラットフォームの詳細は詰めている段階で、内製でスタートする以外にも、今回の発表を通して外部企業からの企画持ち込みや、これまで同様に買収も検討するとしている。