米IBMは3月31日(現地時間)、新しいIoT(Internet of Things:モノのインターネット)部門を設立する目的で今後4年間にわたり30億ドルを投資すると発表した。顧客やビジネス・パートナーによるIoTソリューションの構築を支援するクラウド型のオープン・プラットフォームも構築中だという。

IBMの「モノのインターネット」ビジネス Webサイト

新しい業界特有のクラウド・データ・サービスや開発者ツールを活用し、IBMは、顧客やビジネス・パートナーを支援するため、これまでにない数のIoTや従来データを統合することで、専門性を高めていく。

これらは、IoTに接続する機器の設計や製造を担う担当者向けに、オープン・プラットフォーム上で利用することができ、また、幅広い業界のビジネスリーダーが企業データとIoTデータを組み合わせて意思決定するためのシステム構築を支援する。

同社では、スマートフォン、タブレット、コネクテッド・ビークル、アプライアンスなどの機器が生成する全データの90%が分析されず、活用されていないと想定。同社によると、これらのデータの60%が生成されてからわずか数ミリ秒の間に価値を失い始める。IBMはこの課題に対処するため、「IBM IoT Cloud Open Platform for Industries」「IBM Bluemix IoT Zone」「IBM IoT Ecosystem」を提供する。

また同社は、データの収集・共有・分析と、それに基づく行動のための戦略を策定することで、全世界の様々な都市がスマートになるための支援も行っている。例えば、フロリダ州のマイアミ・デイド郡では、IBMと協力して「スマートな都市」イニシアチブに取り組み、市民サービスの向上と、郡内の34の自治体間における各機関の情報共有の支援を行っている。