NTTコミュニケーションズとSOINNは3月31日、自律的に学習できる汎用型のAI「SOINN」を用いて、ネットワークに接続する機器が収集する膨大なデータの中から、自律的にノイズ(不要な情報や異常値など)を取り除いたうえで、法則性や因果関係を発見する技術「CLARA(CLoud based AI for Recognition and Analysis) with SOINN」(仮称)を開発しNTT Comクラウドで活用する基盤を確立したと発表した。
同基盤を用いることで、屋内における高精度な位置測位技術を実現した。具体的には、屋内で利用中のスマートフォンからクラウド上のAI「SOINN」に送信される、接続中のWi-FiとBLE(Bluetooth Low Energy)の電波強度データを分析し、誤差を約1メートルの範囲に収める正確な現在地の測定に成功した。
同技術の活用例として、同技術で膨大かつノイズが混じった電波強度(電波の反射などで電波強度が一定ではなくゆらぎがある状態)の情報をクラウドに収集し、ノイズを自動的に除去すると同時に、電波強度と位置の関係性を自動的に学習して発見することが想定されている。
屋内にいる利用者のスマートフォンは、現在地のWi-FiとBLEの電波強度をクラウド上にある「SOINN」に送信するだけで、学習モデルを基に予測した測位結果を受信することが可能。
この仕組みを開発したことで、測位の誤差を平均で1メートル程度と、従来の5分の1に抑えることに成功した。