海外に旅行や出張で出掛けると異なる文化に触れられて興味深い反面、旅先から帰ってきたときに身の回りのものを「あらためて見るとよくできてるよなあ」と思った経験はないでしょうか。普段は意識していないものでも、他の国のものと比べたときに初めて気付かされる「良さ」。外国人の方は、日本のものと比べたときにどう感じているのでしょうか。
そこで、日本在住の外国人20名に「自分の国のほうがデザインがよくできていると思う物は?」と質問してみました。
■サンダル。タイは暑い国なので、年中サンダルを使います。ですから日本よりデザインが多いです。(タイ/30代後半/女性)
■漢服(中国/20代後半/女性)
■男性用アラブ風のズボン(チュニジア/40代後半/男性)
■アジアン系のデザイン(マレーシア/30代前半/男性)
■紅茶の箱(イギリス/20代前半/女性)
■中華料理店のインテリア(台湾/40代前半/男性)
■キッチンタオル、水着、スポーツウェア(ブラジル/20代後半/男性)
最も多かったのが、いわゆる「自分の国の方が"本場"とされている(よく使う)ものは、自分の国のほうがデザインがよくできている」という内容の回答。タイの方の、「年中使うからデザインが多い(よくできている)」という言葉が、その本質をよく表しているのではないでしょうか。
■Tシャツ(フィリピン/40代前半/女性)
■Tシャツ(ベトナム/30代前半/女性)
また、独自のものというわけではありませんが、そろってTシャツと回答したのは、どちらも1年を通して最低気温が20度を下回ることがない暑い国の方でした。日本より着る機会が圧倒的に多いから、デザインが豊富なのかもしれないですね。
■家のインテリア。(アルゼンチン/30代前半/男性)
■建物の部屋の大きさ。(スペイン/30代後半/男性)
■家具(スウェーデン/40代後半/女性)
次に多かったのが、インテリアなど部屋に関する内容でした。回答者はアルゼンチン、スペイン、スウェーデンと、どこも日本よりも国土が広く、その一方で日本より人口が少ない国の方であるという点が共通点です。日本の狭い住宅事情では、どうしても部屋の広さに対して物が雑多になりすぎてしまうので、インテリア的にはマイナスなのかもしれません。
ちなみに、ヨーロッパで日本より面積が大きいのは、実はスペインとフランスだけというのはご存じでしょうか。日本も国土としては決して狭くはないのですが、平地が少なく山間部を避けるように街が広がっているため、都市部の人口が特に多くなりがちのようです。2014年の世界の都市圏人口順位を見ると、東京~横浜エリアの人口が第1位となっています。
■駅構内(ペルー/30代前半/男性)
家の中以外にも、駅構内という回答もありました。日本の鉄道は、壁に限らず階段、柱、床、車体、つり革と、ありとあらゆる場所に広告が貼られているので雑多な印象を受ける方もいるようです。
■シリアルやスナックのパッケージ(イスラエル/30代後半/女性)
■メガネ。(韓国/40代後半/男性)
■スマートフォン(アメリカ/20代後半/男性)
■車。ガス台。オーブン。(オーストラリア/40代前半/男性)
■やかん(トルコ/30代前半/女性)
日用品を挙げる回答も多くありました。
■ない(ロシア/20代前半/女性)
■今おもいつきません(ドイツ/40代前半/女性)
思いつかないという回答も。自国のものはあまり意識せず使っているのですぐには思い浮かばないようです。私たち日本人が普段意識せず、当たり前にように使っているものの中にも、「よくできたデザイン」が埋もれているのかもしれないですね。