ジュニパーネットワークスは3月25日、3月11日の米国での発表を受け、国内でルータ、スイッチ、ファイアウォールにおける新製品を発表した。
ルータでは、「PTX5000」および「PTX3000」向けに、新しいチップセットを搭載したラインカードを発表した。新たに開発したチップセットは28nmによる「EXPRESS PLUS」で、1チップで初の500Gのスループットを持つ。「ExpressPlus」は、「コンバージド・スーパーコア」の中核として、フルIPルーティングとMPLS(Multi-Protocol Label Switching)を提供。前世代のExpressチップセットに比べ、4倍のパフォーマンスと3倍の効率性を実現するという。
「PTX5000」は、スロットあたり3Tbps(30 x 100GEインタフェース)、合計24Tbpsの容量を実現できるようになり、「PTX3000」は、設置スペースの制約がある環境向けに専用設計され、最大8Tbpsまで拡張可能。
また、ワイドエリア・ネットワーク・コントローラ「NorthStar Controller」の機能を拡張し、複数ネットワーク・レイヤの自動制御とプログラミングが可能となった。サービスプロバイダはリアルタイムで変化するネットワーク状況に対しボタンを押して動的に調整することで、利用率を向上させることが可能になるという。
スイッチでは、データセンター/クラウド向け高密度のスパインスイッチ「QFX10000シリーズ」を新たに投入。「QFX10000シリーズ」は、新型Q5チップを搭載した初のデータセンター・スイッチで、専用ASICによって、パフォーマンス、ポート密度を強化している。
「QFX10002」は、100GEコンパクト・スパイン・スイッチとして、固定設定の2ラック・ユニットのフォーム・ファクタで提供され、同一スイッチ内での40GEから100GEへのシームレスなアップグレードが可能。
「QFX10008」は、モジュール式8スロットのシャーシで最大48Tbpsのトータル・システム容量を提供。「QFX10016」は、16スロットのシャーシによる優れたポート密度と合わせ、最大96Tbpsのシステム容量を提供する。
ファイアウォールでは、「SRX5000シリーズ」のパフォーマンスを向上させる最新のI/Oカード(IOCII)向けの新たなソフトウェア新機能「Express Path」を発表。特定のトラフィックを優先的にIOCIIハードウェア上で高速転送し、アプリケーションに高いスループットと低遅延を提供する。
また、仮想ファイアウォール「vSRX」が、「SRXシリーズ 」向けの次世代型セキュリティ機能群「AppSecure 2.0」の主要な機能をサポートする。「vSRX」の機能強化は、統合されたコネクティビティとルーティング、統合脅威管理(UTM)、侵入防止システム(IPS)といった既存のサービス群に対してレイヤ7ファイアウォール・サービスを追加する。
ジュニパーネットワークス 技術統括本部長 加藤浩明氏は、「ジュニパーの戦略はすべてをつなぎ、ネットワークの力を与えていくことだ。今後は、多くのデバイスがネットワークにつながり、多くのデータが流れていく。ジュニパーが解決していきたいことは、お客様これらに対応していただけるようにするだけでなく、チップセット、システム、ソフトに投資を行い、お客様にイノベーションを与えていくことだ。開発の軸はパフォーマンスと自動化の推進だ」と述べた。