NECは3月19日、光集積化技術であるシリコン・フォトニクス(シリコン基板上に各種の光デバイスを集積する技術)を利用した小型・低電力の光スイッチ・モジュールにおいて、光信号の低損失化を実現することで、ネットワーク規模に応じて入出力数を柔軟に拡張できるシリコン集積光スイッチ技術を開発したと発表した。同社によると、同様の技術の開発は世界初だという。

新技術の開発に際して、光スイッチ内のシリコン光回路と光ファイバ間の結合部分において、サイズが異なる光のビーム径(スポット・サイズ)を変換して繋ぐスポット・サイズ変換器を新たに開発し、光の損失を、2014年9月に発表した光デバイスと比べて約1/10と大きく改善したとのこと。

これにより、結合前後で光を減少させることなく大容量な光信号を分岐できるため、スイッチ・モジュールを追加すると光スイッチの入出力ポート数を従来に比べて約10倍まで拡張可能となり、次世代の光ネットワークへの適用を可能にする。

シリコン集積光スイッチ技術を用いて実現したモジュールの解説図

同技術の一部は、同社が2011年から参画している、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が委託する「光トランスペアレント伝送技術の研究開発(λリーチ)」の一環として進めてきたもの。

なお同社は同技術に関して、3月22日から3月26日まで米ロサンゼルスで開催される「OFC2015」において、3月23日に発表する予定だ。