シャープは3月19日、さまざまな業務用システムの構築を可能とする「ITユニバーサルボックス(品名:SC-BX2)」を開発し、2015年4月下旬より提供を開始すると発表した。
これまで業務用途のシステムではWindowsベースのものが多かったが、近年、スマホの普及のほか、カスタマイズのしやすさなどが受け、Androidを使おうという機運が高まりを見せている。
一方、テレビなどの表示機器もスマート化が進んできており、業務用ではAndroidを搭載したITテレビモニターなども提供されるようになってきている。
シャープではそうした動きを受け、テレビの業務用途展開の加速を目指して取り組んできたが、新たにそうしたITテレビモニターを購入するのではなく、最新世代のテレビを手軽にスマート化したいというニーズもあったことから、今回の製品の開発に至ったとする。
同製品は、用途に合わせてソリューションの提案を可能とするAndroidの外付けボックス型端末でCortex-A17クアッドコアSoCを搭載。メモリはRAMとしてDDR3が2GB、ROMとしてeMMCが8GB搭載されているほか、1000Base-Tの有線LAN、IEEE802.11 a/b/g/n/ac対応(5GHz帯対応)の無線LAN、Bluetooth 4.0+EDR/LEのネットワークに対応している。またインタフェースとしてはHDMI出力×1、USB 2.0×2、microUSB(容量としては128GBまでは同社にて確認済み)×1、microSDカードスロット×1を揃えており、4k@60fpsの動画再生にも対応している。さらにCEC信号にも対応しているため、CEC信号に対応しているテレビのリモコンで操作することが可能。加えて、高圧縮動画デコード「H.265/HEVC」にも対応しており、画像伝送時のサーバ負荷の軽減を可能とする。
OSにはAndroid 4.4.2を採用しているが、今後のアップデートについては配信サーバとのセットソリューションで提供するソリューションの場合でサポートをすることを検討しているほか、サーバを介さずにクラウドベースでアップデートを行うといったサービスもニーズや案件に応じて検討を進めていくとする。さらに、業務用途としての信頼性を確保するために、GoogleのCTS認証も取得しており、Androidアプリの安定した動作が保証されている。また、システムハングアップ時の自動再起動機能やシステムファイル破損時の出荷時情報への復帰機能のほか、コイン電池を用いることで電源が供給されていない場合でのカレンダー情報保持が可能となっている。
なお、同社では自社販売のほかSIerなどを経由して販売していくとしており、価格は台数次第のところはあるが5万円前後を予定しており、年間1万台の販売を目指すとしている。