Zabbix Japanは3月18日、既存システムの運用コストを4分の1~5分の1に下げたという宮銀コンピューターサービスのZabbix導入事例について発表した。

宮銀コンピューターサービスは、2015年4月をめどに、宮崎中央iDCの運用監視ソリューションとしてZabbixを採用する計画だ。まずは2台のZabbix Serverをアクティブ-スタンバイ方式で導入し、データセンターで預かっているサーバの監視を始めていく。

システム概要

Zabbixは、ネットワーク、サーバーなどのITリソースの監視・追跡を行うために開発されたエンタープライズクラスのオープンソースのモニタリングソリューション。金融・保険業、IT通信業、ヘルスケアなどを含むあらゆる業界の中小企業や、大規模エンタープライズ環境で使われている。

宮銀コンピューターサービスはこれまで、サーバーやネットワーク機器といったデータセンター上のさまざまなシステムの監視に、商用の監視ソフトウェアを用いてきた。しかし、長年のデータセンターサービスの提供により監視対象が増えたため、監視ノード数に比例してライセンス数が増加する商用の監視ソフトウェアでは、ランニングコストが増えてしまうことが課題だった。

オープンソースソフトウェアであるZabbixは、異常の検知とアラートといったシステム監視ソリューションとしての機能を満たしつつ、ソフトウェア本体は無償で利用できる。ライセンスに関する初期コストがかからないうえに、監視対象に導入するエージェントも無料となるため、運用コストも4分の1~5分の1に削減できることが期待されている。また、ライセンスを柔軟に扱えるため、システム構成の変化に応じて即座に監視を行える体制を整えることができる。

宮銀コンピューターサービスではZabbixの導入を機に、さらなる付加価値サービスの展開も視野に入れているという。たとえば、現在提供している基本的な監視サービスに加え、リソースの状況をより細かく監視するオプションサービスを、従来よりも安価に展開することが可能になると期待している。