MHLコンソーシアムとシリコンイメージは3月17日、都内で会見を開きMHL規格の最新版となるsuperMHLの概要とsuperMHL/HDMI 2.0ポート・プロセッサー「SiI9779」を発表した。
MHL(Mobile High-definition Link)は、Silicon Imageが開発した携帯機器向け高速映像伝送インタフェース規格。MHLを通じて、高精細なテレビモニタなどと携帯機器を接続し、両者を連動させてコントロールすることなどを可能とする。
superMHLでは最大8K 120fpsの映像を伝送可能となったほか、最大48ビットの色深度、HDRへの対応も実現。オーディオ形式はDolby Atmos、DTS-UHD、3Dオーディオなどに対応した。加えて、充電機能は最大40Wまで向上したほか、USB Type-C仕様向けMHL Alt Modeが追加された。同技術を活用することで、複数のMHL対応機器を接続して1つのリモコンで操作することや、1台の機器から複数のディスプレイへコンテンツを出力することが可能となる。
また、会見では新しいリバーシブルsuperMHLコネクターも発表された。同コネクターは映像やデータの伝送と充電を行うことができ、リバーシブルなため消費者がプラグの向きやケーブルの方向を気にする必要が無いなどのメリットがある。
シリコンイメージが発表した「SiI9779」はディスプレイ機器向けにsuperMHL入力を1ポート、HDMI2.0入力を3ポート、STBなどのソース機器向けにsuperMHL出力を1ポート搭載。superMHL入力は、既存のコネクタやMHL Altモード対応のUSB Type-Cなどのコネクタを使用したMHL対応モバイル機器からの4K 60fpsビデオ出力にも対応している。また、3つあるHDMI2.0入力により、既存のBlue-ray Discプレーヤー、AVアンプ、ストリーミングメディアスティック、その他のソース機器と接続することができる。
今後の見通しについてMHLコンソーシアムのプレジデントを務めるRob Tobias氏は「MHLのエコシステムは拡大を続けており、これまでに7億5000万台以上のMHL対応機器が出荷されている。近いうちに10億台に到達するだろう」と語り、8Kへの移行など映像体験の高度化が進んでいることをその背景に挙げた。8K放送は2016年には日本で試験放送が始まり、2018年に実用化される計画となっている。