東芝は3月13日、スマートフォンや車載カメラの小型イメージセンサで、大型イメージセンサ並みの画像を実現できる「無限高画質」技術を開発したと発表した。

半導体プロセスの微細化に伴いイメージセンサの画素数は年々増加し、より高精細な画像を撮影できるようになっているが、イメージセンサのサイズが同じ場合、画素数が増えた事によって画素あたりの受光量が減少し感度が低下することでノイズが発生しやすくなる。また、ノイズを抑えるために露光量を増やすと手ブレにより画質が低下してしまう。

これに対し従来は、数枚の撮影画像を合成する電子式手ブレ補正技術が使われてきたが、撮影画像の保持用に複数のメモリが必要となるため、多数の画像を合成することができず大きなノイズ低減効果を見込めなかった。

今回東芝が開発した技術では連続的に撮影される多数の画像を、同社独自の高精度動き検出技術で手ブレ補正しながら画像1枚分のメモリに順次合成することで、ノイズが少ない鮮明な画像の生成を実現。複数の画像を合成することで、ランダムに発生するノイズを除去できるとともに、被写体の輪郭などを重ねあわせることでより鮮明な画像にする。同技術により、蓄積用のメモリを必要とせずに、撮影画像枚数を増やすことで高感度大型イメージセンサ並みの画質を得ることが可能となり、暗くてノイズの大きな夜景シーンなどでも鮮明な画像を得ることができる。

東芝は今後、「無限高画質」技術を、スマートフォン、タブレット、車載、監視、内視鏡などの各種カメラ撮像での実用化に向けて研究開発を進めていくとしている。

無限高画質」技術の概要