米SASは2月25日(現地時間)、フランス国鉄(SNCF)の駅管理部門であるGares and Connexionsが、利用客のニーズに応えるための新しいプロジェクト「Project Magnolia」において、SASのアナリティクス製品を採用したと発表した。同プロジェクトでは、「SAS Visual Analytics」、「SAS Visual Statistics」、「SAS Office Analytics」が使用される。
Gares and Connexionsは、乗降客の行動分析と安全性の改善を目指し、18万平方メートルの商業スペースで、売上12億ユーロ(14億米ドル)に及ぶ3,029の駅の商業開発を行う。このビッグデータを用いたプロジェクトの第一段階の目的は、駅を利用してバスやタクシー、バイクシェアリングなど他の交通手段へと乗り換える年間20億人の乗降客の流れを理解することだ。
駅の改修・開発過程では、効率的かつ最適で完全な分析が求められているが、これまでは駅同士を比較する程度の分析しか行っていなかった。同プロジェクトによって、開発からプランニング、収益管理における不確実性の低減を図っていく。さらに、マーケティングや販売へのプラス効果に加えて、駅の運営やROIへの好影響が期待でき、導入3カ月で効果が表れはじめているという。
SNCFは今後、多くの乗降客情報をはじめ、モバイル回線やWi-Fi接続のログ、ビデオなどの新しいデータを活用することで、サービスレベルの向上と駅のリアルタイム管理を実現させていく予定だ。