トレンドマイクロは3月5日、同社のセキュリティブログにおいて、1990年代から存在していたと考えられる脆弱性について注意喚起を行った。

脆弱性は「Factoring RSA Export Keys(FREAK)」と命名されており、この脆弱性が悪用されると、利用者がSSL/TLSを行う際に強度の弱い暗号(RSA Export Suites)を使用させられる。強度の弱い暗号が解読されることにより、通信の盗聴、改ざんが行われる危険性がある。

FREAKは、パリのフランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)所属の Karthikeyan Bhargavan氏、および同研究所とMicrosoft による共同プロジェクトチーム「miTLS」によって確認。「OpenSSL」(0.9.8zd未満・1.0.0p未満の1.0.0バージョン・1.0.1k未満の1.0.1バージョン)および Apple の SSL/TLS通信のクライアントがSSL/TLS通信で扱った情報が、中間者(MitM)攻撃により盗聴、改ざんされる可能性があるという。

この脆弱性を利用した攻撃の前提条件は、接続元クライアントとしてこの脆弱性の影響を受けるソフトを使用し、接続先サーバが「RSA Export Suites」をサポート。中間者が双方間の HTTPS通信に介入することに成功すると、盗聴や改ざんなどの攻撃が可能になる。

一般的には中間者がHTTPS通信に介入しても、通信が暗号化されており問題はない。しかし、この脆弱性を利用した攻撃では、暗号化通信が強度不足の「512ビット以下の暗号化」に変更されてしまう。

FREAK脆弱性に関する情報を専門に扱っている「freakattack.com」によれば、信頼性の高いとされるWebサイトの37%が、また、Alexaのトップ100万ドメインのうち9.7%のサイトが「RSA Export Suites」をサポートしており、この脆弱性を利用する攻撃の影響を受る可能性があるという。この中には「Bloomberg」や「Business Insider」「DNet」「HypeBeast」「Nielsen」「米連邦捜査局(FBI)」などのWebサイトも含まれている。

「freakattack.com」Webサイト

同サイトではIT管理者に「RSA Export Suites」のサポートを無効にするよう呼びかけており、既知の安全ではない暗号化をすべて無効して「Forward Secrecy(前方秘匿性)」を有効に」といった改善策を提案している。