「日本らしい」デザインの物、ひとつ挙げるとすれば何?

近年、和紙や和食が世界遺産に登録されたり、2年連続で日本を訪れた外国人数が過去最多を更新したりするなど、日本への注目度は年々高まっています。私たち日本人は日常生活であまり強く気にすることはありませんが、実際に日本を訪れた外国人の方にはどんなものが「日本らしい」と感じられているのでしょうか。

そこで、日本在住の外国人20名に「「日本らしい」デザインの物、ひとつ挙げるとすれば何?」と質問してみました。

■着物です。(フィリピン/40代前半/女性)
■着物(中国/20代後半/女性)
■着物です。(ブラジル/20代後半/男性)
■着物です(ベトナム/30代前半/女性)
■着物(ペルー/30代前半/男性)

最も多かったのが「着物」という回答。私たちが「着物」と言われて想像する服は、平安時代に生まれたものが原型と言われており、昭和時代初期~中期ごろまでは日常的に着用されていました。現代では普段目にする機会は少ないように思いますが、いわゆる「着物」に限らず、浴衣や作務衣なども含めると飲食店の制服やお祭りなどで着られていることも多く、現代でも私たちが思っているより日本の風景に溶け込んでいる物なのかもしれません。

■たたみ(トルコ/30代前半/女性)
■うちわ(ロシア/20代前半/女性)
■風鈴(タイ/30代後半/女性)
■ちりめん(イギリス/20代前半/女性)
■刀。(スペイン/30代後半/男性)
■有田焼の陶芸(チュニジア/40代後半/男性)
■寿司(台湾/40代前半/男性)

他にも、日本の伝統文化と言えるような物がたくさん挙げられました。日本の文化は「蒸し暑い夏をいかに快適に過ごすか」と工夫をこらしている物が多くあり、畳・団扇・風鈴などがその例です。日本の気候に合わせて進化した物が「日本らしい」と捉えられるのは自然な流れのようにも思えます。

■唐草模様(ドイツ/40代前半/女性)
■桜系のデザイン(マレーシア/30代前半/男性)

このあたりも、日本人から見ても「和風」だと思うデザインのひとつでしょうか。和柄は、植物や自然現象をモチーフにしたものがたくさんあり、四季を大切にしてきた日本ならではの模様です。和柄の小物を扱ったお店は観光地に限らず数多くあるので、外国人の目にも留まりやすそうです。

■かわいい携帯用のケース(アルゼンチン/30代前半/男性)

携帯のケースのデザインの多さは確かに独特なのかもしれません。ディスプレイの保護フィルムもバリエーションが多くありますし、携帯の本体を傷付けたくないという日本人の几帳面な性質が生み出したひとつの文化のようにも思えます。

■居酒屋やバーのカウンター。(オーストラリア/40代前半/男性)

カウンターはデザインだけでなく、接客も大きな要素ですね。チェーン系居酒屋のカウンターでも、にこやかで丁寧な接客をしてもらえるのは日本ならではの文化のようです。

■軽自動車、小さくて、可愛くて、機能性が高い(スウェーデン/40代後半/女性)
■軽自動車(イスラエル/30代後半/女性)
■PS4等のゲーム機(アメリカ/20代後半/男性)
■靴。(韓国/40代後半/男性)

軽自動車は主に排気量660cc以下の四輪自動車を指す、日本の自動車の分類の中で最も小さい規格。2014年の国内新車販売台数に占める軽自動車の割合は40.9%となり、初めて4割を突破したということです。新車の2台に1台弱は軽自動車ということになり、日本の街を語る上で、軽自動車は大きな要素のひとつになってきているようです。また、小さくて高機能、というスウェーデンの方のコメントは、軽自動車に限らず日本製品全体の傾向を表しているようにも思えます。

2020年にオリンピックがあるということもあり、今後さらに「日本らしさとは」という議論が国内で盛り上がってくることが予想されます。着物などの伝統文化に改めて注目し、日常に取り入れてみることで、私たち日本人にとっても新しい発見があるかもしれません。この機会に「日本らしさ」とは何なのか、身の回りから見直してみてもいいかもしれません。