ダッソー・システムズ(ダッソー)は3月4日、2014年の業績と2015年の事業戦略について、記者説明会を開催した。

2014年の業績はグループ全体が好調で、米国、欧州、アジア全てで2桁成長を達成した。アジアでは日本、中国、韓国の3カ国が収益の柱となっており、その中でも日本はアジアでの売上の半分以上を占めているという。

業界別で見ると、従来通りオートモーティブ産業が大きな割合を占めた。プレゼンテーションを行った鍛治屋清二社長は建築や医療といった新規産業が27%に増えた点を強調し、「新規産業で必要とされるソリューションが高度化しており、製品をクラウド化したことでユーザービリティが向上したこと」をその理由に挙げた。同社は新規産業の割合を2019年までに30%まで増加させる計画で、日本では医療分野の拡大に期待しているとのこと。

鍛治屋清二社長

2014年の概況

次に、2015年の事業戦略について。鍛治屋社長は主に2つの内容を語った。

まず1つはコンサルティングファームやシステムインテグレーターとのアライアンスを強化し、構想段階から製造、アフターサービスまで、顧客の経営改革をEnd-to-Endで支援する体制を構築する。鍛治屋社長は「市場が複雑化し、経営陣は人の配置、買収戦略など、今までになかった要素を迫られるようになってきている中で、コンサルティングファームが立案したビジネスプランを具現化するシステムの中で貢献する」と語った。こうした取り組みはすでにグローバルでは2年前からスタートしており、デロイトやアクセンチュアと言ったファームとの協業で実績を上げている。

2つ目は3Dエクスペリエンスプラットフォームの最新版「R2015x」の提供開始。最新版では「ロール」という概念が導入され、使う人の職種に合わせたアプリケーション・セットが提供される。さらに、ユーザーインターフェースが一新され、より少ない操作で目的を達成できるようになるほか、従来クラウドだけだった3D Dashboard、3D Swym、3D Passportがオンプレミスでも提供されるようになった。

また、3Dエクスペリエンスプラットフォームの互換性・同期の確保に向けた取り組みは今後も継続し、CATIA v5など同プラットフォームに対応していないリソースを活用できるような仕組みを構築するだけでなく、他社製品のユーザーに対しても取り組みを広げていくとした。

「R2015x」の概要(左)と画面イメージ