学生生活から卒業しても、スキルアップや業務のために新しいことを覚えたり資格を取ったりと、"学び"に終わりはない。一方で、年齢を重ねるにつれて覚えが悪くなってきたという人もいるのではないか?

そんな人が効率よく学習できるように、The Next Webが「脳がどのように学習するのか、6つの知っておきたいこと(原題:6 important things to know about how your brain learns)」という記事で、私たちの脳の仕組みをわかりやすく解説している。

視覚情報を活用せよ

「百聞は一見にしかず」とはよく言ったものだ。記事によると、脳の半分は視覚的情報のために使われるとのことで、私たちはそれほどに目から入る情報に対して脳のリソースを割いているのだ。

例えば、ワイン通に行った試飲テスト。目隠しをすると、赤か白かを当てることができなかった実験結果が出た。つまり、味や匂いがワインを特徴付けるといわれるが、視覚も重要という要素の裏付けと言ってもいいだろう。

こうした結果から、絵や写真のフラッシュカード活用は有効な手段としており、新しいコンセプトを学ぶにあたって色や図を活用すべきとアドバイスしている。目から入る情報は静的なものだけではなく、動くものについてはもっと注意深く観察するというから、上手に活用していこう。

ディテールよりも大きな図を

新しいことを学ぶ時に、細かなところに目をやるのではなく、まずは大きな図をとらえると良いようだ。

つまり、細かな情報や知識で圧倒されそうになったら、大きな図を持ち出して体系化することが大事ということ。学生時代の歴史の勉強を思い出してほしい。

記事ではクローゼットを例にとっているが、クローゼットはむやみに洋服を入れるとぐちゃぐちゃになるだけ。しかし、カテゴリ化すると整理できるようになる。

例えば、黒いセーター(新しい知識)をクローゼットに入れるとする。黒(色)、セーター、冬服、ウール(素材)といった分類が可能だ。現実では、1着しかない黒いセーターを複数の棚にしまうことはできないものの、仮想的にはOK。私たちは、頭の中で新しい情報を複数のカテゴリに分けて関連づけられる。

これを利用して、まずは大きなカテゴリごとにページを設ける。そして、それに分類される、関連付けられる細かなアイディアや知識を書き込んでいくと効果が出やすいかもしれない。

睡眠を味方につけよ

嫌なことは寝て忘れるという人がいるが、"学習"においては睡眠が有効な手段だという。

新しいことを学んだ後に寝て次の日(12時間後)にテストした場合、起きたままで4時間後にテストした時と比較してパフォーマンスが上がる結果が出た。もちろん、昼寝も効果があるようで、カリフォルニア大学の実験では、難しい作業を行った後に昼寝して、その後にテストを再挑戦した人は、昼寝抜きで再挑戦した人よりも良い成果が出たとのことだ。

寝る直前の学習も効果大。調査を行ったカリフォルニア大の教授が「睡眠前の脳はスポンジのような状態になり、新しい情報を吸収しやすい」と述べているそうだ。

だからこそ、睡眠が妨害されたり、睡眠不足の状態は逆効果。睡眠が妨害されたり不足した状態だと体が疲れたままなので、新しい情報を入れることは難しい。ほかにも、冷静な判断ができなくなったり、細かな作業に集中できなくなったりと良いことがない。改めて、十分な睡眠は健康の基本といえる。

ほかの人に教える

自分が知識として蓄えている内容を、友達などに伝えてみた経験はあるだろうか? なんとなくわかっていたつもりが、説明しながら理解していないことに気がついたり、他の人から質問されて答えられなかった、逆に、説明しながら自分の中で整理できたといった経験はないだろうか?

学んだ内容を他人に説明することは、テストより効果があるかもしれない。他人と一緒に勉強するような環境にあるのであれば、ぜひ実行すべきだし、ブログや自分用のノートなどに学んだことを書き出すといった行動も効果があるようだ。

同じことを繰り返しよりもミックス

繰り返し学習、あるいは反復学習として同じことを何度も繰り返す学習を推奨する向きがあるが、他のことを間に挟むといった内容も効果があるそうだ。

これを応用して、英語の学習であれば会話とリスニング、作文の3種類のスキルを並行して進めたり、テニスの練習であればフォアハンドとバックハンド、サーブを並行して練習すると良いとしている。

これらを参考に試してみて、自分に合う学習方法を見つけてみてはいかがだろう。