マイナビニュースは、デジタルコンテンツ制作の学校を展開するデジタルハリウッド全面協力のもと、「デジハリ人気授業ワークショップ インフォグラフィックセミナー」を開催した。本稿では、その模様をレポートする。

「インフォグラフィック」とは、情報やデータをわかりやすくデザインしたり、視点や切り口を工夫して見る人を惹きつけるもの。デジタルハリウッド非常勤講師の米倉明男氏をむかえ、前半はインフォグラフィックの紹介として、過去から最新までの優れた作例を紹介し、後半は情報を視覚化するプロセスを学ぶため、テーマ課題のデータをもとにコンセプトのビジュアライズを参加者が実践するという内容が展開された。

セミナー後半はワークショップ形式で進行。参加者は限られた時間の中で楽しそうに話し合ったり、真剣に激論を交わしたり、チームごとに異なる方法でラフを作り上げて行く

インフォグラフィックの作り方

セミナーの前半ではインフォグラフィックのなりたちをレクチャーされる形式だったが、後半では参加者が実際に作品を制作し、インフォグラフィックを作るプロセス(1.情報を読み解く、2.コンセプトをまとめる、3.ビジュアルに落とし込む)を体験した。

米倉氏は、「インフォグラフィックは大きく分けてイラスト・チャート・表・グラフ・地図・ピクトグラム(アイコン)の6つに分類できます。この6つをうまく活用することでおもしろいインフォグラフィックスができるわけなのですが、特に「コンテンツとしてのインフォグラフィック」はデータを組み直すことで、見る人が新鮮さを感じたり、楽しく伝えられたりする利点があります」と解説した。

今回、グループに与えられた課題は「海洋プラスチックゴミの主な出どころ」だ。1位が中国(8.8万トン)、2位がインドネシア(3.2万トン)、3位がフィリピン(1.9万トン)、4位がベトナム(1.8万トン)、4位がスリランカ(1.0万トン)、そして全体で800万トンというこれらのデータを、グループ単位でインフォグラフィックに仕上げていく。

この課題に対して必要なプロセスはまず情報やデータを読み解き、思ったことを洗い出す。その結果を図表化し、ラフを描いたら伝えたいメッセージを絞り込んでコンセプトをまとめる、という流れだ。考えを収集して「ロケーション」「アルファベット」「時間」「ジャンル」「階層」などに整理・分類し、それを再構築することで情報の構造化が可能になる。

デザインする上でのポイントは、「見る人の目と心を惹きつけられるか」「見る人の目の流れに沿っているか」ということです」と語る米倉氏。「伝えたい情報を明確にして必要な情報を簡素化していきますが、文字に頼りすぎないことも大切です。そもそもピクトグラムは言語をサイン化したものでしたね」と指摘。そして、「忘れないでほしいのは、コンセプトやメッセージの方向性が倫理的に正しいのか客観的な視点で見るということです。面白いインフォグラフィックを作ることばかりにとらわれて、それが本当に正しいことなのかをきちんと判断するのを忘れないでください」と、コンテンツとしての面白さを追うばかりに発信するメッセージがゆがめられてしまう危険性を強調した。

こうしてグループごとに考えられたインフォグラフィック(時間の都合上、ラフの段階)は最後に全体に披露された。参加者はみな、ほかのグループが作ったものとの視点の違いなどに興味深く見入っていた。

魚釣りとペットボトルを組み合わせたもの、国旗をレゴブロックに置き換えたもの、ポリ袋をグラフ化したものなど様々なアイディアが見受けられた

一連のセミナーを終えた参加者に感想を聞いてみた。PC雑誌系の編集者は、「インフォグラフィックについて、何となくはわかるんですが今ひとつ漠然としていて、この機会にきちんと学びたいと思い参加しました。職業柄ですがデータというのは見方によっていろんな解釈ができるんだなと感じました。編集の際にどうしてもクローズアップしたい部分をそう見せるというのは当然ありますしね。いろいろ考えさせられるいい機会になりました」とコメント。また、フリーのデザイナーは、「インフォグラフィックを作る仕事が最近とても増えてきたので、改めてきちんと勉強してみたいと思って来ました。とてもいい勉強になったと思います」と語った。他の参加者もそれぞれ刺激を受けた様子で、セミナーおよびワークショップは好評のうちに終了となった。

最後に、さまざまなインフォグラフィックスを紹介しているメジャーなサイトを紹介する。興味のある人はぜひ参考にしてほしい。

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