フェリカネットワークスは、スマートフォンのスケジュール上に企業のイベント情報などを表示し、ユーザーがその情報を知り合いに簡単に共有できる情報配信プラットフォーム「つなガレ!」を開発。2月23日からアプリ(iPhone/Android)の提供を開始している。
つなガレ!は、利用頻度が高いスマートフォンのスケジュールアプリ上で、企業情報をチャンネル形式で提供する。アプリのユーザーは、つなガレ!アプリ内で企業のチャンネルをフォローすることで、イベント情報などをカレンダー上で確認できる。
一方、このプラットフォームを利用する企業側にとっては、つなガレ!がユーザーと企業が直接つながる接点となり、個人の予定と同じレベルで企業情報が表示されることで、情報に対するリーチが高まるとしている。
つなガレ!アプリでは、個人の予定を登録できるのはもちろん、その予定や企業の情報を知り合いにメールやLINEを介して共有できるようになっている。情報の共有にログイン操作が不要で、簡単に共有できる点も特徴だ。
「ル・クルーゼ レシピ&TOPICS」「ロフト」「アサヒ飲料」「一休.com レストラン」など、サービス開始時に25以上の情報チャンネルが開設。2015年夏頃には、おサイフケータイ機能やウェアラブル機器との連動も予定している。
企業と人の直接的な接点を提供する
このつなガレ!を開発、提供するフェリカネットワークス 事業開発部長の竹下 直孝氏、同事業開発部2 課長の大濱 基宏氏、同事業開発部1課マネジャー小川 央氏に、開発の背景について話をうかがった。
フェリカネットワークスは、おサイフケータイのインフラを提供するために、2004年のおサイフケータイサービス開始に合わせて設立された会社。これまでは後方支援的に事業を展開してきたが、おサイフケータイユーザーの獲得、事業のさらなる加速を目標に、昨年10月に事業開発部を設立。「つなガレ!」が、事業開発部によるサービス提供の第1弾となる。ちなみにアプリ名は“(人と人、企業と人が)つながるカレンダー"という意味がある。
情報配信プラットフォームにスケジュールアプリを選んだのは、スマートフォンユーザーが増え、スマートフォンのスケジュールアプリで自分の予定を管理する人が圧倒的に増えたのが理由だという。しかも、端末に標準搭載されているアプリではなく、自分に合ったスケジュールアプリを探して使う人が多いという調査結果があった。つなガレ!はGoogleカレンダーのようなクラウドサービスと連携することはできないが、プライベートの予定を管理する新しい便利なスケジュールアプリとしてユーザーにアピールしていく。
つなガレ!アプリは、基本的に個人が予定を管理するスケジュールアプリだ。予定の登録項目は一般的なスケジュールアプリと同様だが、比較的大きなイメージアイコンを登録できるようになっており、予定の内容がひと目でわかる。また、予定を簡単に共有できることにもこだわって開発された。共有したい予定を選び、メールやLINEから相手を選んで予定を共有することができる。
最大の特徴は、企業の情報を個人の予定と同じようにカレンダー画面上に表示できることだ。カテゴリーごとに情報のチャンネルが用意され、そこから好みのチャンネルを選んでフォローすると、カレンダー画面上に、そのチャンネルの情報が自動で表示される。情報の共有も個人の予定を共有する場合と同様に行える。
「チャンネルを登録すると、興味のある情報が自動的にカレンダーに表示され、共有もされていきます。企業様がチャンネルを持って情報を配信することで、1人のユーザーと継続的かつ密にコミュニケーションできるだけでなく、そこから派生的に別のユーザーにも情報が広がっていくのが特徴です」(竹下氏)
配信する情報は、企業がウェブサイトやソーシャルメディアで配信している情報を元に、つなガレ!のデータサーバでカレンダー用のデータ形式に変換して配信される。そのため、更新や運用作業で企業側の負担が少ないのも利点だ。
将来的にはおサイフケータイユーザーの拡大を狙って提供されるサービスだが、サービス開始時点で、つなガレ!アプリが直接的におサイフケータイと連動する機能は提供されていない。
「これまでは、おサイフケータイを使ってもらうために、BtoBの切り口でインフラを提供してきましたが、その切り口とは別の視点で提供するサービスです。まずは、ユーザーさんとの接点を作るところから入っていく。そうすることで、ユーザーさんにダイレクトにおサイフケータイの新しい使い方を提案できますし、企業様にもユーザーさんの希望を明確に伝えられます」
つなガレ!アプリは、おサイフケータイに対応していないiPhoneでも利用できる。おサイフケータイの便利さを、iPhoneユーザーにも理解してもらえるようなサービスに成長できるか注目だ。