STMicroelectronicsは2月25日、コンシューマ、産業、医療、メータ分野の次世代機器向けに超低消費電力技術とARM Cortex-M4を組み合わせた32ビットマイコン「STM32L4」シリーズを発表した。
同シリーズの「STM32L476/486」は、DSPと浮動小数点演算ユニット(FPU)を持つ80MHzのARM Cortex-M4コアを搭載している。また、フラッシュメモリからのゼロウェート実行が可能な同社のART Accelerator機能を加えたことにより、100μA/MHzの消費電流で最大100DMIPSを達成している。さらに、128KBのSRAMに加え、最大1MBのデュアルバンクフラッシュメモリが、高機能アプリケーションやフラッシュ書き込み中の読み出し(RWW:Read-While-Wright)をサポートしている。
そして、消費電力と処理性能のバランスを最適化するダイナミック電圧スケーリング、FlexPowerControlを含むスマートアーキテクチャ、およびサブモードオプションを含む7つの電力管理モードなど、独自の低消費電力技術を最大限活用している。これらは、最小30nAの低消費電流での、Stop/Standby/Shutdownモードを含んでいる。加えて、同社のBatch Acquisition Mode(BAM)では、低消費電力モードにおいて、通信ペリフェラルとのデータ交換を効率的に行うことができる。
この他、「STM32L4」向けのリアルタイムOS(RTOS)として、日本国内の組み込み機器向けソフトウェアベンダであるeForce製のμITRONベースRTOS「μC3/Compact」が用意されている。今後、同社の省電力プラットフォーム向けRTOS「Picco-Cube」も「STM32L4」に対応する予定。
なお、パッケージは「STM32L476」が64ピンLQFP。サンプル価格は約3.40ドル。現在サンプル出荷中で、2015年第2四半期に量産を開始する予定。