日立製作所とイタリアのフィンメカニカは2月24日、フィンメカニカ傘下のアンサルドブレダの修理・修繕事業と既受注案件の一部を除く事業、アンサルドSTSのフィンメカニカが保有する全株式について、日立が買収する契約を締結したと発表した。
日立は、鉄道事業として、車両、駆動システムから運行管理システムの開発まで手がけている。海外展開も積極的に進めており、英国やドバイなどに車両を出荷している。
今回の買収は、日立にとって、信号/運行管理システム事業やターンキー(一括請負)ソリューション事業の強化、ワールドクラスの製品群が加わることによるポートフォリオの拡大など、鉄道システム事業におけるトータルソリューションのリーディングカンパニーになるための重要な第一歩となるという。
アンサルドSTSはジェノバに本社を構え、30以上の国と地域に約4000名(内イタリアに1530名)の従業員を擁する。貨物・旅客・地上鉄道や地下鉄向けの信号装置や制御システムの設計・実装・管理において高い技術を有しているほか、グローバルに鉄道システムをターンキーで提供している。2014年12月期の連結売上高は13億400万ユーロ、営業利益は1億2500万ユーロ。
アンサルドブレダ社は鉄道業界で150年の歴史があり、都市交通と高速鉄道の分野で伝統的に強い力を持っている。
アンサルドSTS株式の買い取り価格は、アンサルドSTS 1株当たり9.65ユーロ(約1303円)で、合計価格は7.73億ユーロ(約1044億円)となる予定。買収価格は、アンサルドSTSが中間/期末配当やその他の資金拠出を決定した場合、買収実行前に下方修正される可能性があるという。