Keysight Technologiesの日本法人であるキーサイト・テクノロジーは2月23日、高性能BERT「J-BERT M8020A」用の調整可能な符号間干渉(Internal Symbol Interference:ISI)機能オプションを発表した。
次世代デジタルデザインの特性評価では、データレートが増加し続けるにつれて、トランスミッタとレシーバ間のチャネル損失の影響を考慮することが、一層重要になっている。チャネル損失は、信号経路内のプリント基板トレース、コネクタ、ケーブルが原因となり、このチャネル損失によりISIが発生する。ISIの影響は、チャネルの材料と寸法、データレート、ビットパターンによって異なる。一般的な高速デジタルレシーバはトータルジッタを特定量許容するように仕様化されており、この中にはチャネル損失に起因するISIも含まれている。そのため、レシーバの特性評価とコンプライアンステストの際に、規定量のISIを発生させるチャネル損失をエミュレートする必要がある。従来は外部トレースボードを使用してエミュレートしていたが、外部配線や切り替えが必要となるため、セットアップに手間と時間がかかり、テストが複雑になっていた。
「J-BERT M8020A」を使用すれば、デジタルデザインの詳細な情報をより速く入手でき、最大16Gb/sおよび32Gb/sのデータレートで動作するシングルレーン/マルチレーンデバイスの特性評価を高速かつ正確に行える。さらに、内蔵ISI機能はパターンジェネレータのチャネルごとにプログラムすることができ、配線や外部トレースの切り替えが不要となるため、16Gb/sのデータレートまでレシーバテストを簡単に自動化できる。この他、最大25dB、16GHzまでの広範囲の損失に対応し、再現性高くかつ正確なレシーバの特性評価とコンプライアンステストを実現する。また、アップグレードオプションによりレシーバテストソリューションとして完全な機能拡張性を実現する。
なお、販売予定価格は208万5773円(税別)。「M8020A」ユーザーは、ISI機能オプションを追加しアップグレードすることができる。