ダッソー・システムズは、米アリゾナ州フェニックスで2月8日~2月11日まで、年次イベント「SOLIDWORKS WORLD 2015(SWW15)」を開催した。同イベント最終日のセッションでは「SOLIDWORKS 2016」の新機能が一部先行公開された。

時代遅れなデザイナーは珍生物? - 今年の寸劇は動物ドキュメンタリー

同イベントではSOLIDWORKSの新機能を寸劇スタイルで発表することが恒例となっており、昨年はバットマンのパロディ「CADMAN」が登場した。今年はイギリスの著名な動物学者デイビッド・アッテンボローの動物ドキュメンタリーをパロディにしたもので、技術的にアップデートされていないデザイナー達を珍生物に見立て、「デイビッド・パターン・ボロー」なるレポーターが彼らの「生態」を探索しながら新機能を紹介していくというものだった。以下、公開された新機能の一部をご紹介する。

主人公の「デイビッド・パターン・ボロー」

デザイナーの巣(=デスク)に潜入して生態を探る

VTRが一旦終わると助手(左)とともに壇上へ

サーフェスモデルを使っているときに、輪郭に穴が複数空いている場合、従来はひとつひとつループ選択する必要があったが、SOLIDWORKS 2016では、それを一括で選択できるようになる。また、これまではスイープでパスを輪郭の端から書かなくてはならなかったが、任意の場所から両方向にスイープできるようになったほか、断面表示した箇所のメッシュを見ることも可能となった。さらに、親フィーチャーがどの子フィーチャーに参照されているかを赤矢印、参照している親フィーチャーが青矢印で表示されるようになった。

内側の連続したサーフェスの線をスケッチ線にエンティティ変換することで複数の穴を一括で選択可能に

任意の場所から両方向にスイープできる

メッシュ断面の表示

どの子フィーチャーに参照されているかを表示

SOLIDWORKS 2016での全く新しい機能としてはデータ管理ツールSOLIDWORKS PDM Standardが標準のCADにバンドルされることなった。ちなみに、有償のSOLIDWORKS PDM Enterpriseも用意されており、SOLIDWORKS PDM Standardでは物足りないユーザーはそちらを利用することもできる。

SOLIDWORKS PDM Standardが利用可能に

2016年はダラスで開催!

新CEOの登場やコンセプト設計ツールSOLIDWORKS Industrial Designの発表など、今回のイベントはSOLIDWORKSブランドが次のフェーズに進んだ事を強く感じさせるものだった。特に、SOLIDWORKS Industrial DesignとConceptual Designというコンセプト設計ツールが揃い開発プロセスに対してより総合的なラインナップとなった印象だ。今後SOLIDWORKSがものづくりに対してどのようなソリューションを提案していくのか、米テキサス州ダラスで開催されるという来年のSOLIDWORKS WORLDを楽しみに、注視していきたい。