大きなニュースがあると、その月のGoogle急上昇ランキングには必ず関連用語がランクインする。2015年1月の場合は、イスラム過激派組織による事件が注目を集めたようだ。
ここでは事件の詳細に触れないが、経過と検索ボリュームの動向を「Googleトレンド」にて照らし合わせてみる。すると、新たな情報が報道されるタイミングにて、検索ボリュームが跳ね上がっていることが分かる。
関心度は、検索量と視聴率に現れる?!
今回はもうひとつ、TVドラマのタイトルに注目してみよう。
2015年1月のGoogle検索ランキングには、2日間に渡って放送されたスペシャルドラマ「オリエント急行殺人事件(フジテレビジョン)」と、1月の新番組となる「流星ワゴン(TBSテレビ)」がランクインする。検索ボリュームの急上昇は、実際の視聴率と関係があるのだろうか。
ビデオリサーチが提供する「週間視聴率ランキング(関東地区)」によると、1月11日(日)に放送されたオリエント急行殺人事件 第一夜は16.1%で1月5日週の2位を記録。翌12日(祝日)に放送となった第二夜は、15.9%で1月12日週の3位となる結果に。なお、週間視聴率ランキングの1位はいずれも、日本放送協会(NHK)の連続テレビ小説「マッサン」であった。
「オリエント急行殺人事件」は、アガサ・クリスティーの小説を原作に、脚本を三谷幸喜が担当し、民放ドラマ初主演となる野村萬斎が名探偵ポアロを演じるという、いかにも一筋縄ではいかなさそうな注目作。検索ボリュームを見ると、事前の反応は薄かったようだが、第一夜の11日よりも第二夜の12日の方が増加しており、作品自体が視聴者の興味を惹いたことがうかがえる。
一方「流星ワゴン」は、2013年の大ヒット作「半沢直樹」のチームが再集結した作品。視聴率は、1週目から順に11.1%、11.7%、11.1%と続く(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。検索ボリュームは放送日に合わせて増加しているほか、テレビ番組配信サイト「ドガッチ」の見逃し配信では、第1話の合計視聴回数が1週間で45万回を突破したという。
ただ、「半沢直樹」が放送回数を重ねるたびに視聴率も検索ボリュームも増加したのに対し、「流星ワゴン」では検索ボリュームの減少傾向が見られ、今後どのように変化するのか注目したいところだ。
では、検索の先にある公式サイトではどのような情報が提供されているのだろうか。
「オリエント急行殺人事件」は、放送日やキャスト・スタッフ、作品の導入となる情報やインタビューが掲載され、2回放送のスペシャルドラマとしては必要十分な内容。放送当日は、データ放送と連動したクイズ企画も行われていた。
「流星ワゴン」の公式サイトは、原作紹介やキャスト・スタッフ、前回分までのあらすじ、予告動画を掲載。舞台となる広島県福山市鞆の浦の地域紹介や、撮影時のスチル写真、スタッフの日記なども随時更新中のようで、情報量が多い印象だ。
一般的に連続ドラマでは、放送回数が進むにつれて検索ボリュームが減少していくが、これに反してじわじわと増加しているのが「マッサン」だ。
長い放送を追いかけやすいようにまとめたストーリー紹介のほか、毎週のキーパーソンへのインタビューやキャストのコラム、オフショット、これらを通じて紹介されるスタジオセット、小ネタなど、公式サイトをガイドに作品をより楽しめるような工夫が随所に見られる。さらに、ほぼ同じ情報量がスマートフォン向けにも見やすく提供されている。
作品名で検索する視聴者が何を求めているのか、その参考になるものがこのサイトにあるかもしれない。