大日本印刷(DNP)は、画像の電子透かし技術を活用してスマートフォンへコンテンツを配信するアプリ「QUEMA for Smartphone」に、音のデータに埋め込まれた電子透かしを読み取る機能と、データ発信機"ビーコン"の電波を受信する機能を追加し、2月17日にApp Storeで配信を開始すると発表した。Android版は、2015年5月頃に配信予定だという。

同社では、人間の目で識別できないデジタルコードを印刷用データに埋め込む電子透かし技術と、そのコードを読み取る電子透かしリーダーのアプリケーションを組み合わせ、雑誌やチラシなどの写真や絵柄をスマートフォンのカメラで撮影すると、関連する映像や音声などを閲覧できるサービス「QUEMA」を2011年から提供している。

2012年からは、本サービスの汎用的なアプリとしてQUEMA for Smartphoneを提供している。

音のデータに埋め込まれた電子透かしを読み取る機能は同社が2014年に開発し、企業のニーズに合わせて開発しているアプリにこの機能を組み込んで提供してきたが、今回、この音の電子透かしを読み取る機能と、ビーコンの電波を受信する機能をQUEMA for Smartphoneに追加した。

今回、印刷物だけでなく音やビーコンの活用も可能になったため、生活者はこれらの情報メディアに接したその場でコンテンツへアクセスできるようになり、これまでより詳細情報が取得しやすくなる。

同社では、多様な情報メディアを連動させたO2Oプロモーションをや、生活者が利用した情報メディアやコンテンツなどを分析し、マーケティング施策の改善につなげることができるとしている。

たとえば、テレビやラジオ、デジタルサイネージ、店内放送などで流す音源データに電子透かしのデータを埋め込み、スマートフォンがその音を感知すると、埋め込まれた電子透かしを読み取り、コンテンツを配信できる。音が届く範囲であれば、同時に多数の生活者にコンテンツを配信できる。