ファンに寄り添ったFacebookページを2つご紹介!ショートコミュニケーションor共感コンテンツ、ファンはどっちを欲している?
あなたが、Facebookのニュースフィードを眺めているとき、目に留まるのはどちらの投稿ですか?
- ぱっと視覚に訴えるシンプルな投稿(短め)
- 参考になったり、共感する内容の読み込むタイプの投稿(長め)
どちらかというと目に留まりやすいのは、前者と答える方が多いと思います。
それでは、詳しく知りたい情報はどちらのケースが多いでしょうか?きっと後者なのではないでしょうか。
多くの人は、たとえば、時間のない移動時にさっとチェックするという場合は前者をピックアップ、カフェでのんびりしているなど、本を読むように長めのコンテンツを読みたいという場合は後者をピックアップ、といったように、時と場合、欲しい情報によって視点を変えている人が多いのではないかと思います。
そこで今回は、日本国内でFacebookを活用する企業事例をWebマーケッターが解説するブログ「Facebookプロモーション国内事例集」より、ファンに寄り添ったFacebookページ事例を2つご紹介します。
1つは、シンプルな投稿で、上手にファンコミュニケーションを行っているページ、2つめは、長めのコンテンツを中心に、ファンに寄り添った投稿で共感を得ているページです。
どちらも、自社サービス、商品をどういう形で発信するのかきちんと設計されており、なおかつ、ファンの気持ち、生活、嗜好などを理解し、ファンに支持されるコンテンツを投稿し、ファンと関係性を構築しています。
自社のファンが、どんなときに、どんなコンテンツを欲しているのか意識してみましょう。
*本記事は「Facebookプロモーション国内事例集」からの転載です。(SMM Labにて一部編集してお届けします)
1.シンプルな投稿でファンコミュニケーション:Simply Cocktails【シンプリーカクテル】/キリン・ディアジオ株式会社 キリンビール株式会社
https://www.facebook.com/SimplyCocktails
まずは、Facebookページのニュースフィードを、なんとなく「流し見している」人に最適なショートコミュニケーションがうまい事例をご紹介します。
キリン・ディアジオ株式会社 キリンビール株式会社のSimply Cocktails【シンプリーカクテル】のFacebookページです。
週末気分を共有する投稿
【カクテルフライデー!】という投稿では、金曜の週末にユーザーのカクテルフライデー シーンを紹介しています。週末に楽しそうな飲酒シーンを共有することで
- 週末の気分(一週間お疲れ様、開放感など)に共感する
- 美味しいお酒が飲みたくなる
ことから、「いいね!」などの反応が集まることが期待できるでしょう。
なお、この写真自体をファンから応募しているところもポイントです。
カクテルを楽しんでいるシーンの写真を、「#カクテルフライデー」とハッシュタグをつけて投稿してくださいと呼びかけています。
もしファンが投稿した写真を紹介できているのであれば、双方向のコミュニケーションができており、ファンともいっそう強い関係が築けているといえるでしょう。
季節を感じるカクテルを紹介
【混ぜる楽しさ、ここにも発見!】 というテーマで、季節にあったカクテルを紹介しています。
季節感があるので、見ている側も反射的に「いいね!」をしてしまいますね。
このように投稿に季節感をプラスすることで、反応が集まるようになります。しかも、その季節ならではの飲み物は、より飲みたくなる欲求を刺激しますね。
カクテル名をみんなで考える
【カクテル名WANTED】というコーナーでは、カクテルの名前を募集しています。
シンプルだけどファンとコミュニケーションがとれる投稿ですね。投稿にコメントがつくことも期待できます。
フォトコンテストの写真を紹介
カクテルを楽しく飲んでいる「カクテルタイム」シーンを撮影して応募した人のなかから、スミノフカクテル タスカンレモネード200ml 1本+グラスセットを50名に抽選でプレゼントするというキャンペーンを実施。そのなかで集まった写真を投稿に使用しています。
キャンペーンは賞品に設定している新商品のスミノフカクテル タスカンレモネードを知ってもらうきっかけになりますが、投稿の素材を集めることもできるのです。しかも、応募者からしたら自分の応募した写真が投稿に使われていたら思わず目を留めますよね。より関係が深まるきっかけになるかもしれません。
おすすめレシピを紹介
Facebookでのレシピ紹介はよく見かけますが、長いものや多くの材料が必要になるようなものは、Facebookのニュースフィード上では消化しきれないという問題もあります。
しかし、カクテルのレシピはシンプルなので、とても親和性が高いのです。すぐに真似できる役に立つレシピを提供することができるのです。そして、材料に使っているのは自社商品ですから、ファンに喜んでもらいながら宣伝ができるおいしいコンテンツになっています。
また、こちらのレシピ投稿は動画で説明する【見るカクテルレシピ♪】というコーナーもあります。
実際に見せることで、よりわかりやすい解説を短時間で実現できますね。
すべての画像にロゴ
使用している画像には、すべてSimply Cocktailsのロゴが入っています。これは、繰り返し見ている間にSimply Cocktailsの存在が刷り込まれていきそうですね。名前を覚えてもらえればレシピなどが欲しいときに、直接検索して訪れるユーザーもいるでしょう。
沢山のページが存在するFacebookですから、少しでも覚えてもらうための工夫としては真似したいところですね。
投稿内容、文章、写真などすべてにおいて、ぱっと視覚に訴える工夫が盛り込まれているページですね。
2.共感コンテンツを投稿:ピジョン / Pigeon
https://www.facebook.com/pigeon.jp.baby
続いて、ピジョン / PigeonのFacebookページをご紹介します。ニーズに合った長めのコンテンツを投稿し、ママたちから共感を得ているページです。
楽しみや不安を共有
【ママが元気でなくっちゃね!】というシリーズの投稿では、ママの複雑な心のうちが綴られています。
忙しい毎日に子育てをするなかでの、わが子の成長への喜びや、子どもとのふれあいのなかで得ている幸福感といったポジティブな感情。
もしくは、キャリアへの不安や迷い、家事に手が回らないことによる自己嫌悪といったネガティブな感情と、そこに対しての前向きな気持ちなど。
ママが共通して抱くであろう、色々な想いを投稿しています。
ファンは投稿を読みながら自分自身を重ね合わせ、幸せであることを再確認したり、勇気をもらったりできるような内容です。
もちろん、そこには多くの「いいね!」やコメントが集まっています。
投稿に、「私も!」という共感や、勇気をもらった「ありがとう」という気持ちが含まれていることが伝わってきます。
思わず「あるある!」な育児の一コマ
(新米ママ日記)というシリーズの投稿では、育児のシーンがかわいいイラストとともに紹介されています。
同年齢の子どもには、よくあるシーンなのでしょう。「ウチの子も!」といったコメントが多くついています。
このような「あるある」シーンは、思わず「いいね!」を押したくなるほか、
自分(の子ども)のことも話したいという気持ちを引き出すせいかコメントが集まるのも特徴です。
心に刺さる!名言格言
イクメンの心得というシリーズの投稿では、ナゾのイクメン師匠が「男の育児、こうあるべし」というのを語っています。
毎回、「こういうパパいそうだな」「こんな小さなことの積み重ねがママにストレス与えているのだろうな」と感じるような内容が書かれています。
投稿には多くのママからの支持がうかがえる「いいね!」とコメントがたくさん。
そして、シェアが集まっているのも特徴の一つです。シェアする行為は、自分の考えを他の人の言葉を使ってまわりに表明する一つの手段です。
ですから、ファンが普段から思っていて、まわりに伝えたいだろうことを投稿にするというのはシェアを獲得するひとつの方法でしょう。
ファンに寄り添った語り掛けから始まる商品紹介
このページの素晴らしいところのひとつに、商品紹介が宣伝っぽくないということが挙げられます。
左の投稿では、風邪予防といったこの季節ママが気にし始めるであろう話題です。そして、最後はマスクの紹介と続いています。
右の投稿をご覧ください。思わず自分に重ねて読み込んでいってしまうような文章から始まっています。しかし、最終的に紹介しているのはオムツです。
突然宣伝から始まらず、ちゃんとファンの気持ちに寄り添った話のなかで自然と「よかったらこれどうぞ」とすすめられる。
だから商品の投稿でもファンに嫌がられず、支持されるページに育つのではないでしょうか。
役立つ情報と一緒に商品紹介
もう一つ、ファンに喜んでもらえる商品の紹介方法は役立つ情報とセットにするということです。
こちらは、レシピと一緒に商品を紹介している投稿です。
ここにしかないオリジナルな情報であるほど、ファンにとっては大切な存在になっていくのではないでしょうか。
ファンに寄り添いファンと共に歩む
こちらが一方的に伝えたい情報を「投稿する」のではなく、本当にファンと一緒に想いや出来事を「共有する」というスタンスが感じられます。
作業的に投稿を考えるのではなく、画面の前にいるファンに語り掛けるように投稿を作るよう意識してみてはいかがでしょうか。
Facebookニュースフィードのアルゴリズムは徐々に厳しくなり、ファンに投稿が届きにくくなっています。
「リーチが減った」という声も多いなか、ファンからの多くの反応を得ているページがあるのも確か。そんな生き残るFacebookページに共通しているのは、ファンに寄り添いファンと共に歩むことができているということだと思います。
以上、今回は「Facebookプロモーション国内事例集」より、2つの視点から、ファンに寄り添ったFacebook事例をご紹介しました。日々のFacebookページ運用の参考になれば幸いです。
ライター紹介
柴 佳織(Kaori Shiba)
企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。
本稿は、ソーシャルメディアマーケティングラボにて掲載された記事を転載したものです。
関連記事