STMicroelectronicsは2月10日、広範な用途向けにワイドバンドギャップを有し、高い電力効率と信頼性を特徴とするSiCパワーMOSFET「SCT20N120」を発表した。
同製品は、1200V耐圧パワーMOSFETで、電気・ハイブリッド自動車用インバータ、太陽光・風力発電システム、高効率駆動機器、電源、スマートグリッド機器など、消費電力が重視される幅広いアプリケーションに対応する。具体的には、最高200℃の接合部動作温度範囲で290mΩ以下のオン抵抗(RDS(ON))を実現している他、ターンオフ損失(Eoff)およびゲート電荷(Qg)が安定しているため、全温度範囲において一貫して高いスイッチング性能が維持される。これにより、導通損失とスイッチング損失の低減、および超低リーク電流につながるため、放熱設計が簡略化されるとともに、高い信頼性も確保されるという。
さらに、低い電力損失に加え、同等の定格を持つシリコンIGBTの最大3倍のスイッチング周波数を実現している。このため、外付け部品の小型化、省スペース化、軽量化ならびに部材コストの低減が可能になる。また、優れた高温度特性を有しており、電気自動車向け電力モジュールの冷却システムの設計も大幅に簡略化できる。
なお、パッケージは熱効率の高い独自のHiP247パッケージを採用している。最高200℃まで信頼性のある動作が可能であると同時に、業界標準のTO-247パワーパッケージと外形の互換性を有している。現在量産中で、価格は1000個購入時で約8.50ドル。