ソフトバンクは2月10日、2014年度第3四半期の決算説明会を都内で開催。代表取締役社長 孫 正義氏が登壇し、同日にソフトバンクテレコムが発表した日本IBMとの「IBM Watson」の日本における共同展開について言及した。(関連記事:みずほフィナンシャルグループ、ソフトバンクからiPadを2万台導入)
同日の決算は、売上高が前年同期の4兆5617億円と比較して41%増となる6兆4312億円、純利益は15%増の5794億円となった。営業利益は7880億円と前年同期比で16%減となったものの、昨年はガンホーとウィルコムの子会社化にともなう一時益が含まれていたため、一時益を除くと14%増の堅調な成長を示した。
日本IBMと共同展開するWatsonは、コグニティブ・コンピューティングと呼ばれる人工知能の大規模商用システムで、自然言語処理技術を通して、複雑な人間の質問を解釈、根拠に基づいた回答ができる。
「人工知能の領域についても業務を広げていく。IBMが先進的な開発を行っているが、このWatsonはアメリカのテレビ番組で人間と対決し、勝ったケースも出ています。とりわけ先進的な事例を組み合わせていますが、Pepperとも連動するといったことも発表している」(孫氏)
Pepperとの組み合わせは、実際にPepperの開発者イベントで正式ではない形のコラボレーションが披露されており、あくまで存在を知ってもらうための"見せ物"の要素が強い。
その一方で、同日の共同リリースでは、日本語特有の課題克服やエンタープライズからコンシューマー領域まで幅広い活用、開発者やその他企業を含めたエコシステムの構築など、多岐に渡るWatsonの青写真を描いており、アプリケーションも続々と提供していく。ソリューションとしてコグニティブ・コンピューティングを開発しながら提供して日本で物を作っていこうという一歩となる予定だ。
なお、ここで言及のあったPepperだが、その後の質疑応答で2月の発売予定が開発者向けに限定されることを明らかにした。
「後に正式に言おうと思ったが、2月は開発者に限定販売します」(孫氏)
これには理由があり、開発者イベントを行った際に、開発者の予約応募数が想像以上に多く、多くの希望者にPepperが届かない事態に陥っているという。アプリ開発者にPepperを届けることは、一般ユーザーが手にする時、より多くのアプリケーションが用意されることに繋がるため、このような判断に繋がった。
「最終確定ではないが、一般向けには台数が積み上がった6月~8月になると思う。最終的にいつ販売するかは、検討中」(孫氏)