SNSやモバイル、BI、クラウドなどは、ここ数年の技術トレンド。だが、依然として導入の初期段階というあなたの会社は、IT戦略の速度を上げた方が良いかもしれない。

世界的なコンサルティング会社 米Accentureによると、2015年はこれらを活用して「どう差別化に繋げるか」にフォーカスが移っているという。Accentureが年に一度発表する技術トレンド予測では、"Me"(自社)に代わって"We"(全体)の感覚が重要だと強調している。

これまでデジタル技術を使って自社の変革を図ってきた企業が、現在ではデジタルの力を使って業界全体の専門知識を活用したり、他の企業や業界との連携を図ったり、顧客とデジタルで関係を深めるなど、これまでの境界線を拡大しているという。

同社が2000人以上のITおよび事業担当幹部を対象に行った調査によると、5人中4人が「プラットフォームが、業界全体が相互接続されたエコシステムへとその形を変えつつあり、将来業界の境界線が薄くなるだろう」と見ていることがわかった。

ほかに、6割は「自社の業界内で新しい提携を行う計画がある」と述べ、「デジタル上の提携を業界外に拡大する計画がある」とする企業は40%あったという。

これについてAccentureは、ここ数年のデジタル技術の受け入れを受け、これらを活用して何ができるのかに視点が移りつつあると分析している。

具体的な技術トレンドとしては、以下を挙げている。

モノのインターネット:パーソナライズされたデジタル世界

さまざまなモノがネットにつながると、体験もオンラインに移行する。

ウェアラブルやネット対応TV、ネット対応自動車、スマート家電などは、ここのところよく聞くキーワードと言えるが、いずれも約6割の企業が、顧客との接点として実験・活用する計画だという。

先進的な企業では、アプリケーションや製品、サービスなどの構築手法も変えつつあるとのことだ。これらの接点を顧客体験にするためには、パーソナライズされた体験の構築と提供が大切だという。

実際に6割の企業が、パーソナライズを可能にする技術への投資効果があったと認めており、パーソナライズ戦略は方向性としても正しいといえるだろう。顧客に「私のインターネット」を提供できる企業がコンシューマーのハートをつかむと言えそうだ。

インテリジェントなエンタープライズ

ソフトウェアインテリジェンスを活用することで、経営の効率化を図り、ソフトウェアサービスを次の段階にレベルアップできるという。

これまで企業はソフトウェアを利用して迅速かつ良い意思決定に繋げてきたが、ビックデータと高速な処理、コグニティブコンピューティングの新しい技術が更に一歩上のレベルへと引き上げてくれるという。

これにモバイル対応を加えることで、いつでもどこでも重要なデータにアクセスできるようになる。

オフィスが変わる

ウェラブル端末や、より自然なインタフェースなどの技術革新は、コンシューマーだけのものではない。

オフィスでも効率化やコラボレーションに役立てられる。場合によっては、人とマシンの協調が必要になってくるとも予想しており、近未来のオフィスはすぐそこといえそうだ。

Accentureではこれらの技術予測とともに「全ての企業がデジタル企業になった」と述べている。