Alteraとマクニカは2月5日、FPGA「MAX 10」を搭載した開発キットとして、モータ制御や自動車運転支援(ADAS)、ストレージなど、広範なアプリケーションに対応する「DK-DEV-10M50-A」、スマートフォンとFPGAをBluetoothで連携できる「Odyssey MAX10 Kit」を発表した。

Alteraの「DK-DEV-10M50-A」は、FPGA「MAX 10」の中でも5万ロジックエレメントの最高密度を有する「10M50D」を搭載、484ピンBGAパッケージを採用し、360I/Oを備える。さらに、別売りのドーターカードを使用すると、産業用途など向けリファレンスデザインの要求を網羅できる他、1GB DDR3メモリを搭載しており、データの大きなプログラムも扱える。また、従来はさまざまなデバックを実行するには、別途JTAGケーブルが必要だったが、同製品は、オンボードでJTAG USB Blasterを搭載しており、USBケーブルつなぐだけで、「MAX10」の全てのプログラミングとデバックが実行できる。この他、GUIベースの消費電力評価ツールにより、スリープモードの評価も可能となっている。

なお、価格は199.95ドル。すでに受注を開始しており、出荷は3月を予定している。

「DK-DEV-10M50-A」。発表会場では、ADCおよびLCD表示制御と、スリープモード消費電力制御を切り替える「MAX 10」の特徴を生かしたデュアルコンフィグレーションのデモが行われた

一方、マクニカの「Odyssey MAX10 Kit」は、Bluetooth SMART、センサ、FPGA「MAX10」を組み合わせた、スマートフォンと無線で連携するIoT機器向けFPGA開発キットである。並列処理など、逐次処理のマイコンには不得意なタスクが低消費電力で実行可能。さらに、「MAX10」の32ビットソフトプロセッサコア「Nios II」などにより、マイコンも取り込んで専用チップを1個から作ることができる。

また、同製品はBLE & SensorボードとMAX10 FPGAボードの2枚の基板で構成されており、BLE & Sensorボードには、BroadcomのWICED Smart BLEモジュール「BCM20737S」、Silicon Laboratories(SiLabs)のマイコン「EFM32」、SiLabsの温湿度センサ「Si7020」、SiLabsの光センサ「Si1147」、Analog Devices(ADI)の加速度センサ「ADXL362」が搭載され、MAX10 FPGAボードには、FPGA「MAX10 10M08U169C8G」、JTAGヘッダ、30ピンDIP型外部ヘッダ、MEMSマイク、各種スイッチ/ボタン、LED×8個が搭載されている。これら搭載デバイスと専用アプリを組み合わせることで、「MAX 10」のA/Dコンバータ(ADC)を利用して各種センサデータを収集し、Bluetoothでスマートフォンに送信したり、Bluetooth越しにスマートフォンでデバイスの遠隔制御などが行えるため、IoT機器や産業機器、ロボットなどの開発に応用できるとしている。

なお、価格は2000個限定の先行キャンペーン価格が5480円、通常価格が9600円となっている。

タブレットで「Odyssey MAX 10 Kit」に搭載するLEDを制御するBluetooth通信デモ

「Odyssey MAX 10 Kit」のブロック図