ヴイエムウェアは2月3日、サーバ仮想化ソフトウェアの最新版「VMware vSphere 6」、OpenStackのディストリビューション「VMware Integrated OpenStack 」を発表した。vSphere 6では650以上の機能が追加されている。
ストラテジックアライアンス本部長の名倉丈雄氏は、vSphere 6の特徴として、「スケーラビリティの向上」「高可用性を実現する機能の装備」「大規模環境の管理の簡素化」を挙げた。同氏は、こうした特徴により、同製品では、スケールアップ型のアプリケーションやスケールアウト型のアプリケーションなど、さまざまなアプリケーションを稼働させることができると説明した。
具体的には、仮想マシンとクラスタのスケーラビリティが拡張されており、ホスト1台当たりの仮想マシンの台数が旧バージョンの512台から2048台と、4倍になっている。これにより、ミッションクリティカルなアプリケーションの稼働にも耐えうる環境を構築できるという。
新製品では、長距離間で仮想マシンのライブマイグレーションを実行する機能「Long-Distance vMotion」が追加された。同機能により、東京―シンガポール間などの長距離におけるワークロードのライブ マイグレーションをダウンタイムなしで行える。スイッチ間およびvCenter Server間のvMotionにも対応している。
高可用性を実現する機能としては、「マルチプロセッサ対応のFault Tolerance」がある。この機能により、最大4個の仮想CPUを設定したプライマリの仮想マシンとセカンダリの仮想マシンで即座のフェイルオーバーが可能になる。
また、デスクトップ仮想化に対し、3Dグラフィックアプリケーションを配信することが可能になっているほか、数千のコンテナ インスタンスと仮想マシンを迅速に複製。プロビジョニングし、秒単位で新しい仮想インフラを利用することを可能にする「Instant Clone」が追加されている。
同製品とあわせて、リソース監視・キャパシティプランニングツー「VMware vSphere with Operations Management 6」とvSphereのプライベートクラウドを構築・管理するための機能が含まれる統合製品「VMware vCloud Suite 6」も発表された。
さらに、同社のOpenStackディストリビューションとして「VMware Integrated OpenStack」も発表された。同製品は、OpenStackのコードなど、ディストリビューションのすべてのコンポーネントをパッケージ化して動作検証を行ったもので、サポートまで提供される。
同製品は、vSphere上にOpenStackのコンポーネントと同社のドライバを15分程度で展開できるという。管理は、同社のOpenStackに対応した製品によって行える。
マーケティング本部 シニア プロダクト マーケティング マネージャの桂島航氏は、同社がOpenStackのディストリビューションを提供する狙いについて、「ターゲットはvSphereのユーザー。すでに仮想環境を構築している顧客より、OpenStackの環境を構築したいという問い合わせを受けている。VMware Integrated OpenStackを使えば、顧客のクラウドの管理環境と同じ環境でOpenStackが利用できる」と説明した。
VMware Integrated OpenStackは、vSphere Web Clientから管理が行え、導入もウィザードによって簡単に行える。
vSphere 6エディションの1プロセッサ当たりの市場想定価格は12万5000円から、vSphere with Operations Management 6の1プロセッサ当たりの市場想定価格は21万8000円から、vCloud Suite 6の1プロセッサ当たりの市場想定価格は62万5000円からとなっている。
VMware Integrated OpenStackは、vSphere Enterprise Plus、vSphere with Operations Management Enterprise Plus、vCloud Suiteのユーザーには無償で提供される。OpenStackソースコードを含むVMware Integrated OpenStackのプロダクションレベルのテクニカルサポートはオプションで提供され、価格は1プロセッサ当たり2万5000円(最低で50CPUの購入が必要)。