日本の交番の建築デザインをどう思いますか?

道を尋ねる時、あるいは(ない方がいいけれど)事件に遭った時にすぐ駆け込める交番は、生活者の心強い味方です。赤いランプがあって、お巡りさんがいて…までは同じですが、実はその建物のデザインは地域や場所でかなり違うもの。そんな交番の建築は、外国の方にはどう見えているのでしょう。

そこで、日本在住の外国人20名に「日本の交番の建築デザインをどう思いますか?」と質問してみました。

■場所によって変わったデザインがあるのでかっこいいと思います。(トルコ/30代前半/女性)
■交番については特に考えた事ないですが、新しい交番だと素敵なデザインもありますよね。(スウェーデン/40代後半/女性)
■なかなかかっこいです。(フィリピン/40代前半/女性)
■かっこいいと思う。(チュニジア/40代後半/男性)
■まあよい。(ロシア/20代前半/女性)
■柔らかいイメージが伝わります。(スペイン/30代後半/男性)

比較的よい評価が多かった「交番のデザイン」。まずはデザインや印象に関する回答まとめてみました。交番は各地域に配置される警察官の詰め所。1874年に東京警視庁が設置、巡査を配置した「交番所」が今の形の始まりとされています。また「交番(KOBAN)」が正式名称となったのは1994年、それまでは「派出所」でした。パトロールなど治安維持のほか道案内などサービス的な仕組みがあるのは日本だけで、現在はアメリカやシンガポールなどにもその制度が輸出されています。

トルコの方も回答されていますが、変わったデザインが多いのは、職務内容からランドマーク的建物を目指す場合も多いから。例えば、ふくろうを描いた池袋駅東口交番、まち針のある屋根の数寄屋橋交番などアイコン的要素があるもの、白壁土蔵を使った鳥取県倉吉駅前交番や石造りの洋風建築である長崎県丸山町交番など地域の特徴ある建築を転用したもの、ガラス張りの札幌駅前交番や白いバルコニーがある熊本駅交番などモダンなものがあり、中でも駅前にある交番は個性的な建築が見つかることが多いです。

■古い交番は昭和を感じます。(ドイツ/40代前半/女性)
■すごく古い感じがする。(アルゼンチン/30代前半/男性)
■小さくてかわいいと思う。(イギリス/20代前半/女性)
■小さくてかわいい。(台湾/40代前半/男性)
■かわいい。(オーストラリア/40代前半/男性)
■かわいいと思います。(韓国/40代後半/男性)
■こじんまりとした感じで、中や外にいるおまわりさんのほうが目立ちます。(マレーシア/30代前半/男性)
■あまり目立たないので、ときどき気がつかないことがあります(だいたい駅の近くにあるのでなんとなく見つかりますが)。(タイ/30代後半/女性)

「小さくてかわいい」という回答。配属の人数が少数であることもその理由でしょう。一般的な交番はシンプルで素っ気なさも感じるほどですが、そのシンプルさが逆に街になじむ秘けつなのかも。また昭和初期に建てられた古い交番では、文化財的な価値がある建築もたくさんあります。珍しいものはその役目を終えている場合も多いのですが、大阪府の旧堺南警察署浜寺公園派出所や東京・浅草の本所警察署厩橋交番は今でも建物を見ることができます。

■普通です。(ブラジル/20代後半/男性)
■普通です。(ベトナム/30代前半/女性)
■普通だと思います。(ペルー/30代前半/男性)
■デザインがよくないです。(中国/20代後半/女性)
■かっこ悪い。(イスラエル/30代後半/女性)
■ださいと思います。(アメリカ/20代後半/男性)

普通・よくないという回答群。デザインされた交番も含めての評価かどうかが気になるところです。公共建築物の印象は、国・地域やその人の文化背景も大きく関わるでしょうから、細かい理由もぜひ聞いてみたいですね。

今回の結果を受け各地の交番を調べてみたのですが、珍しい建築の多さに改めてびっくりしました。現在のモダンなものもよいですが、昭和初期のレトロで小さな交番や伝統建築の交番は落ち着いていてすてきですね。身近すぎて普段は見過ごしがちな建築ですが、地元にある数軒の違いを見比べてみるだけでも面白そう。一度じっくり観察してみてはどうでしょうか。