市場の動きが早く、企業の生き残りが容易ではない時代。Fortune 500など大手といわれる企業でも、事業戦略を誤ったためにあっという間に転落してしまった例がたくさんある。

だが実は、ビジネスの基本的なルールは大きく変わっていないとForbesの記事「企業が常に問うべき10の質問(原題:The 10 Questions You Should Never Stop Asking)」が指摘している。

いくら優秀な従業員がいても、売上や目先のことばかりに目を取られていては企業の長期的繁栄は難しい。記事が伝える10の質問は基本的なものばかり。だが、よくよく見てみると、経営陣すら見落としがちな要素が見えてくる。

存在意義は何か?

創業時、何を目的としていたのだろうか? 自社の役割を何と捉えていたのだろうか? 何をやろうとしてスタートしたのだろうか?

ベンチャー企業であっても、創業後数十年が経過する老舗企業であっても、これらは常に考えたいポイントだ。

時の経過と共に市場が変わり、製品も変わっていったことだろう。変化を恐れることはないが、創業時に何をするために立ち上がったのかについて思考を巡らせなくては、自分たちの本質がブレてしまう。

ターゲット顧客は?

製品やサービスを開発する際、既存顧客や新規顧客の詳細な想定を行なっているのだろうか?

単に「他社もやっているから」という理由で商品を出すだけでは不十分だ。事業開発にあたって提携先を探す場合でも同じ。しっかり顧客をその先に見なければ意味がない。

顧客が製品を購入する理由は?

「自分たちが気に入っているから」や「自分たちが必要と思うから「製品が優れていると思うから」といって、顧客がその製品やサービスを利用したいとは限らない。

このような考え方をしていると、企業は繁栄と逆方向へと進んでしまうと記事は警告している。重要な事は、「製品やサービスを顧客が買う/利用するとすれば、その理由は何か」について意識しよう。

収益を生むのに十分な需要があるか?

市場調査を経てニーズがあると判断したら、さらに一歩踏み込むことを忘れずに。

そのニーズは、自分たちに十分な収益を生むレベルだろうか? ニッチな市場であっても、収益を生み出せるのであれば問題ない。だが逆に、市場が大きくとも収益の見通しが立たないのであれば考え直すべきだ。

競合は何をしているのか?

競合分析は重要な要素。

その企業が出す製品はもちろん、「どのようなところと提携しているのか」や「どのようなサービスを付加しているのか」「どのような広告戦略を打っているのか」など、一度とは言わず、定期的に分析していこう。

売上を継続的に出していく方法は?

市場はコンスタントに変化しており、トレンドも常に変わっている。

1年前はもとより、場合によっては1カ月前と同じことをやっていてはダメな市場も存在する。自分たちのビジネス戦略を客観視することも重要だ。

リーダーは適任か?

経営陣だけではなく、事業部単位のマネージャー、プロジェクトリーダーなど、それぞれの人材が果たして適任かどうかについてしっかり考えたい。

自社がどの段階にあるのかによって、求められるリーダースキルが変わってくるはずだ。

ほかにも、記事では3つの要素を挙げている。

  • 自社にあった人材を雇用しているか?

  • 従業員の声を聞いているか?

  • 品質を損なうことなくコスト削減は可能か?