社会に蔓延する「ストレス」が、現代日本に働くビジネスマン・OLを苦しめている。行き過ぎた成果主義、過渡な営業ノルマ、職場の人間関係の複雑化などにより、うつ病患者が増加しているとの報告もある。これを受け、厚生労働省では"労働者の安全と健康の確保"を充実させる法案を国会に提出。2014年6月19日、職場における労働者の安全と健康を守るための「労働安全衛生法の一部を改正する法律案」が可決・成立した。同法案によれば「従業員50名以上の事業所に対して、年一回のストレスチェックの実施が義務付けられる」という。
そんな中、職場に心地良い音楽を流すことで、仕事の効率を上げ、それと同時に従業員の心も癒す―― そんなユニークなサービスが、いま企業の注目を集めているという。そのサービスとは、USENの提供する「Sound Design for OFFICE ~働く人のメンタルバランスミュージック~」だ。
Sound Design for OFFICEとは?
Sound Design for OFFICEは、"音楽でオフィスの課題を解決する"をコンセプトに、「集中力向上」「リラックス」「リフレッシュ」「気づき」といった観点で編成された音楽番組を提供するというもの。配信している音楽番組は次のような内容だ。
まず「集中力向上」。こちらは、集中力を高め、仕事の効率を上げる音楽セレクションを提供する。オフィスの雑音をBGMでマキシングすることで、集中力アップが期待できるという。
続いて「リラックス」は、リラクゼーションをもたらすサウンドでチャンネルを編成。働く人のストレスを緩和する。さらに「リフレッシュ」では、気分転換を促すことで心身の健康を保ち、また職場でのコミュニケーション活性化を図る。最後の「気づき」は、「ノー残業デー」をアナウンスして定時退社を促す、ラジオ体操で適度な運動を促すなど、メンタルヘルス対策を支援するといった内容だ。
USENによれば、同サービスは「新しいアイデアをより多く生み出す環境作りに」「コミュニケーション活性化でチームワーク向上」「商談スペースのマスキング効果」に適しているという。また「社員のメンタルヘルス対策に関心がある」「オフィスにワークリズムを作りたい」「オフィスにリラックス感をもたらしたい」「業務の効率を改善したい」企業にも最適と説明している。
月5,000円から利用可能
このようにオフィスでの利用を前提とした多彩なジャンルの音楽を提供するSound Design for OFFICE。利用料金については、どうなのだろうか?
Sound Design for OFFICEは、2つの料金コースを用意している。「Greenコース」は、USENのBGMコーディネーターがオフィスのコンセプト・環境に沿ったオリジナルBGMプログラムを企画・設計するもので、月額費用は9,000円(税別、以下同)。「Whiteコース」は、より気軽にBGMを利用したい企業に最適なコースで、月額費用は5,000円となっている。
USENのホームページでは導入事例として、ドワンゴ、サトーホールディングス、コクヨファニチャー、佐川急便、アシックス、門真市役所の担当者の声などを紹介している。興味のある方はチェックしてみるとよいだろう。
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本稿ではSound Design for OFFICEの特徴について紹介してきた。冒頭で触れた「労働安全衛生法の一部を改正する法律案」は、年に1回、従業員に対してストレスチェックを実施し、高ストレスだった従業員は希望に応じて医師による面接指導を実施するというもの。必要であれば従業員の作業の転換、労働時間の短縮など適切な就業上の措置を講じなければいけないという、かなり踏み込んだ内容となっている。
労働環境にストレスはつきもの。できるだけミスなく、効率よく業務を遂行するために、いかにして従業員の集中力を持続させるか。この難題に対して、音楽が果たす役割は大きいと言えるだろう。USENによれば、上述の法案が可決・成立した後、Sound Design for OFFICEへの問い合わせ数が倍増したという。オフィスに流れる心地良い音楽が、人の脳や心身に好影響を与えることは想像に難くない。
(執筆:大石はるか)