Transphormとトランスフォーム・ジャパン、富士通セミコンダクター(FSL)は1月27日、福島県会津若松市にあるFSLグループのCMOSプロセス互換150mmウェハ製造ラインにおいて、電源用窒化ガリウム(GaN)パワーデバイスの量産を開始したと発表した。
両社は2013年に、電源用GaNパワーデバイスの分野で事業統合を実施し、以来、会津富士通セミコンダクターウェハソリューションが所有するCMOSプロセス互換の150mmウェハ製造ラインに、Transphormが確立したJEDEC準拠の製造プロセスを移管し、FSLの基礎技術と融合させて量産化に向けた改善を実施してきた。そして今回、両社は技術開発を完了し、量産を開始した。
会津若松の製造ラインは、車載製品向け品質基準に準拠し、現在、TransphormのGaNパワーデバイス製品のウェハファウンドリサービスを独占的に受託している。量産が実現したことで、Transphormはビジネス規模の拡大をすることが可能になる。また今後、拡大するGaNパワーデバイス市場のニーズに十分な対応が可能になるとともに、さまざまな電力変換装置の小型化と高効率化という新たな流れをもたらすとしている。
なお、Transphormは、最先端のIPポートフォリオをもとに、600VクラスのGaNパワーデバイス製品において実用レベルの信頼性を達成している。2015年1月には、Transphorm製品を採用したGaNモジュール搭載のPVパワーコンディショナが発表された他、GaNパワーデバイスは、超小型ACアダプタや、PC、サーバ、ネットワーク機器向けの高パワー密度電源装置、さらに高効率モータ制御装置といった、さまざまな用途に適用されているという。